都市部の渋滞解消や新興国のインフラとして期待されている自走型ロープウェイ「Zippar」構想が、また一歩前進した。

軽量でシンプルな構造の Zippar は、低コスト・自動運転・自由設計・安全対策の4点で特長がある。

ゴンドラにあたる「ポッド」は、その索道(ロープ)と分離し、バッテリー電源で自走。カーブや分岐もつくれる仕様に。

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またポッドは、乗車人数や用途によってフレキシブルに設計できる仕様に。イメージ動画には、貨物コンテナのようなデザインも描かれていた。

ロープウェイの索道に似たラインはかんたんに施工できる仕様。支索を2本とすることで、風速30m/s(通常ロープウェイの1.5倍)まで運行できる。停留所は、既存の建物を利用した簡易モデルをイメージしている。

運転は自動運転で、安全性と利便性を確保。物資の運搬や災害救助、テーマパークのアトラクションなど、さまざまな用途を想定している。

施工期間と費用は、「鉄道の1/10」。既存のモノレールに比べ、1/5のコスト・期間で建設できるという。

2022年には都市部で実証実験を開始し、2025年に大阪万博の新交通システムとしてデビューをめざしている。

4人乗りモデルの設計・開発を加速

この Zippar を設計・開発する Zip Infrastructure(東京都荒川区)は、独立系ベンチャーキャピタル ANRI(東京都渋谷区)を引受先とする第三者割当増資による、シードラウンドで3000万円の資金調達を実施。

この資金調達で、駆動部試験用4人乗りモデルの設計・開発を加速させる。

また、現在設計中の試験線での4人乗りモデルの走行実験を行い、データを収集。4人乗りモデルでは、現在組成中の第三者委員会での安全性の認証をめざす。

小田原実験線で4月5日にメディア公開、試乗会を実施

また Zip Infrastructure は、小田原実験線でのプロトタイプなどを4月5日にメディア公開する。

小田原実験線では、昨年12月まで試験してきた Zippar ひとり乗りモデルを試乗。往復で50メートルほどの移動を体験できる。雨天の場合4月12日に順延。

Zip Infrastructure 須知高匡 代表取締役(左)
ANRI 元島勇太 プリンシパル(右)