三菱重工業がドバイメトロ運行保守とドバイトラム運行事業を受注、ケオリス社など3社で新事業会社設立へ

2021.03.24

三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(MHIENG)は、フランス国有鉄道(SNCF)グループのケオリス社(KEOLIS SA)、三菱商事とコンソーシアムを組み、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国にある全自動無人運転鉄道システム「ドバイメトロ」の運行・保守、路面電車「ドバイトラム」の運行に関する事業権を取得。同国道路交通局(RTA)との間で契約を締結した。

海外での都市軌道交通の運行へ参画するのは、三菱重工エンジニアリングとしては初めて。

今後、3社で事業会社「Keolis MHI Rail Management and Operation LLC」(出資比率:ケオリス社70%、三菱重工エンジニアリング25%、三菱商事5%)を設立し、現行の運行・保守事業者からの移管を経て、2021年9月から事業を開始する。契約期間は最長15年(9年プラスオプション最長6年)。

ドバイメトロは、2009年に開業した2路線・計90kmの都市鉄道で、うち当初開業した約75kmの本線を三菱重工業がリーダーを務めた5社コンソーシアムにてEPC(設計・調達・建設)を請け負った。

ドバイ国際空港や主要地域、またドバイ国際博覧会会場を結び、日常生活に欠かせない交通基盤として、人々に多様性・利便性の高い移動手段を提供している。

いっぽうドバイトラムは、2014年に開業した路面電車で、高層ビルが立ち並び開発が著しいマリーナ地区の計10.6kmを結び、周辺の美しい景観を生かした便利・快適な交通手段として親しまれている。

ケオリス社が持つ公共交通事業の運営ノウハウを融合

ここで、ドバイメトロの全自動無人運転鉄道システムとは、レール上を車両が完全自動走行する鉄輪方式を採用した新交通システムで、走行区間が長く、輸送人員が多い地域での移動用として多く利用されている交通システム。

都市軌道交通とは、新幹線や都市間鉄道と区別し、大都市における地下鉄などの軌道系交通システムのことをさす。

今回の事業権契約では、都市軌道交通のシステムや車両を多く手がけた三菱重工エンジニアリングと三菱商事の実績と、世界30都市での全自動無人運転のメトロとトラムの運行を誇る同分野の世界的リーダーでもあるケオリス社が持つ公共交通事業の運営ノウハウを融合させ、顧客であるRTAと協力し、運行・保守事業をすすめていく。

三菱重工エンジニアリングはこれまで、カタール、フィリピンで都市軌道交通のシステムや車両の保守サービスを提供。米国、シンガポールなどといった世界各国で、国際空港内のコンコースを結ぶ全自動無人運転車両システム(APM:Automated People Mover)で質の高い運行・保守サービスを提供している。高い稼働率を誇る豊富な実績をもち、UAEでは2018年からドバイ国際空港内APMの運行・保守サービスを提供している。

デジタル化・AI化技術によって製品・技術をシステム化

ここでいう全自動無人運転車両システム(APM)は、電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ターミナル間と空港周辺施設への移動用として世界各地で利用されている。ゴムタイヤ方式を採用し、走行が滑らかでかつ低騒音であるのが特徴。

三菱重工業は引き続き、同国の交通インフラプロジェクトへの積極的な参画を通じ、経済発展への貢献、地域の利便性の向上、渋滞といった地域課題への対応と解決策の提供をめざす。

また三菱重工エンジニアリングは、これまで積み重ねてきた確かな技術と豊富なEPC取りまとめ実績を生かし、交通分野での新事業領域としてデジタル化・AI化技術によって多様な製品・技術をシステム化し、顧客にとって付加価値の高い運行・保守サービスを提供し、事業権参入を含めたアフターサービス事業のさらなる展開を図っていくという。


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