LRTにMRT、AGT、そしてAPM……新交通システム関連に、新しい風。

三菱重工エンジニアリング(三菱重工グループ)は、アジア拠点のシンガポール「Mitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte. Ltd.」内に「テクニカルサービスセンター」を新設。

同施設で、アジア地域での交通システム製品の運行・保守(O&M:Operation and Maintenance)・アフターサービスを強化する。

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また、同センターに交通システムのエキスパートを配置し、顧客からの納入後の問い合わせや依頼にワンストップでタイムリーに対応。

さらにデジタル・AI技術を採り入れた遠隔監視や、故障予防診断といった、新サービスも積極的に提案していく構え。

約20年にわたりシンガポールの交通インフラを支えてきた三菱重工エンジニアリングは、センカン・プンゴルLRT(Light Rapid Transit)むけ全自動無人運転車両システム(AGT)では、2003年の開業以降、乗客数の増加にともなう輸送力増強プロジェクトに参画。

また、チャンギ国際空港内のターミナル間を結ぶ全自動無人運転車両システム(APM)を2007年に完工、2019年には増強工事を完了し、現在に至るまで継続してO&Mを請け負っている。

いっぽう、シンガポール以外のアジア地域では、フィリピンにおいてマニラ都市鉄道(MRT3号線)の改修・保守を履行中で、2019年に運行開始のマカオLRTでも車両の保守業務を遂行するなど、交通システムのサービス事業を展開している。

LRT MRT AGT APM とは?

三菱重工は、この LRT MRT AGT APM などについて、地域性などを含めてこう解説している。

LRTとは、元来「Light Rail Transit」(次世代型路面電車)の略称として広く使われている。センカン・プンゴルLRTは、その高速性能にちなんで「Light Rapid Transit」を略称としている。

AGTとは、「Automated Guideway Transit」の略。電力駆動により完全自動走行し、ゴムタイヤ方式の採用で走行が滑らか、かつ低騒音なのが特長。

APMとは、「Automated People Mover」の略で、空港むけのAGT。ターミナル間と空港周辺施設への移動用として世界各地で利用されている。

MRTとは、「Metro Rail Transit」の略で、MRT3号線は、フィリピンのマニラ首都圏で運営されている都市鉄道をいう。

―――三菱重工が解説する4つの交通システムは、日本国内にも存在する。成田空港には「成田空港第2ターミナルシャトルシステム」というAPMが1992年から2013年まで走っていた。