名鉄名古屋駅 大改造、4線化と新ホームで利便性が大幅向上へ!再整備計画の詳細

名古屋鉄道が、「名古屋駅地区再開発計画」と併せて実施する「名鉄名古屋駅再整備計画」の概要を決定したと発表しました。多くの課題を抱える現在の名鉄名古屋駅が、リニア中央新幹線開業を千載一遇の機会と捉え、4線化をはじめとする大規模なリニューアルに踏み切ります。これにより、鉄道ネットワーク機能の強化、空港アクセスの向上、そして地域交通拠点としての役割が一層強化される見込みです。
長年の課題を解決へ!名鉄名古屋駅 再整備の背景と目的
名鉄最大のターミナル駅である名古屋駅は、施設の老朽化に加え、ホームやコンコースが狭隘であること、駅構造の複雑さによる段差の多さ、改札口が多数分散している点、そして同一ホームに複数方面の列車が発着することによる利用者の分かりにくさなど、長年にわたり多くの課題を抱えていました。
今回の再整備計画は、これらの課題を抜本的に解決し、利用者にとってより安全で快適、かつ分かりやすい駅へと生まれ変わらせることを目的としています。リニア中央新幹線の開業と、これを契機に進められる名古屋市のスーパーターミナル化構想を絶好の機会と捉え、鉄道ネットワーク機能の全体的な強化を目指します。また、中部国際空港アクセスを担う唯一の鉄道事業者として、「空港アクセス強化」およびリニア開業効果を広域に波及させる「地域交通拠点の形成」といった社会的要請に応えることも重要な目的とされています。
どう変わる?「4線化」と「空港アクセスホーム」が鍵
再整備計画の最大の柱は、現在の2線を4線に増やす「4線化」です。これにより線路容量が大幅に増強され、ラッシュ時の混雑緩和や列車の遅延リスク軽減、さらには運行ダイヤの柔軟性向上などが期待されます。
もう一つの大きなポイントは、空港利用者の利便性向上に特化した「空港アクセスホーム」の新設です 。これにより、中部国際空港へ向かう乗客は専用ホームからスムーズに乗車できるようになり、分かりやすさが格段に向上する見込みです。

その他にも、駅全体のバリアフリー化推進のため昇降施設が増設され段差が改善されるほか 、すべてのホームにホームドアが設置されることで安全性が向上します。ホームやコンコースも1期リニューアル時よりさらに拡張され、ゆとりある駅空間が整備されます。案内設備や駅務機器、内装なども最新技術を取り入れ、国際レベルのターミナル駅にふさわしい先進的なデザインと機能性を備えた駅を目指すとしています。
段階的工事と今後のスケジュール
名鉄名古屋駅の再整備は、鉄道の運行を継続しながら行われるため、段階的に進められます。

1期リニューアル(2線):まず、現在の鉄道施設(駅施設・線路等)の範囲外で構築される再開発ビルの地下空間に、新たに2線を敷設し、駅機能を移設・拡張します。老朽化した鉄道施設の更新、昇降施設の増設による段差改善、案内設備の刷新、ホームやコンコースの拡張などが行われます。

2期リニューアル(4線):次に、現在の鉄道施設(駅施設・線路等)を撤去して構築する再開発ビルの地下空間に、さらに2線を追加敷設し、4線化と駅のさらなる拡張を実現します。空港アクセスホームの設置やホームドアの設置、複数の旅客動線のバリアフリー化などがこの段階で行われます。

この再整備計画に関する投資額は約3,200億円と公表されています。
今後のスケジュール(予定)は以下の通りです。
・2026年度:工事着手
・2033年度:1期リニューアル(2線)完了(開発事業の1期本工事竣工と同時期)
・2040年代前半:2期リニューアル(4線)完了(開発事業の2期本工事竣工と同時期)
(画像:名古屋鉄道)
長年親しまれてきた名鉄名古屋駅が、未来に向けて大きく生まれ変わります。4線化による利便性向上や空港アクセスの強化は、名古屋圏に住む人たちにとって大きな朗報と言えるでしょう。工事期間中は一部不便が生じる可能性もありますが、完成後の新しい名鉄名古屋駅に期待しましょう。
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