西鉄の「福岡ロジスティクスセンター」=イメージ=

西日本鉄道は2022年9月、福岡市博多区に国際物流拠点「福岡ロジスティクスセンター」を開設する。西鉄の大規模物流施設は東京、千葉(2カ所)、大阪(同)の全国5カ所あるが、地元・九州への立地は初めて。西鉄は、新センターで九州エリアの半導体、自動車部品、食品類などを取り扱い、日本と中国や東南アジアとの国際交易の中枢施設として活用する。

計画地は福岡と熊本、鹿児島方面を結ぶ幹線道路の国道3号線沿い。福岡空港や博多港に近く、都市高速道の福岡都市高速環状線へのアクセスも便利で、航空、海上の双方にわたる輸送サービスの拠点機能を備える。

施設は、鉄筋コンクリート(一部鉄骨)造り4階建てで、延べ床面積1万1558平方メートル。建物は清水建設が所有し、西鉄が一括賃借する。新センター開設後は、福岡県内7カ所に分散する保管・流通加工機能を同センターに集約。新センターの延べ床は、統合前7カ所の施設を合わせた約2500平方メートルからほぼ4倍に拡張される。

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新センターは天井高をたっぷり取り、床荷重も1平方メートル当たり1.5~2トンと重量貨物への対応も万全。輸出入貨物を扱う保税倉庫で、一部フロアでは生鮮品を中心とする冷蔵貨物を扱う。危機管理では、非常用発電設備を備え、停電時も最長48時間まで施設を稼働できる。

さらに新センターは、詳細な保管条件を可能にする温度帯管理機能を備え、福岡では新規貨物になる生鮮食品や生花を取り扱う。グループの西鉄運輸との協業では、保冷保管と保冷輸送を一体化した低温物流のコールドチェーンを構築、九州の農産物の輸出拡大に務める。

文:上里夏生
(画像:西日本鉄道【清水建設提供】)