天神南駅から、国体道路・はかた駅前通りの直下に地下線路を延伸し、博多駅へと到達させる福岡市地下鉄 七隈線延伸事業。

この七隈線延伸にむけて、福岡市は新型車両3000A系4両編成4本を新規に製造する。新形式には「Advance」の頭文字をとったAがつく。

この新型3000A系は、9月下旬から10月上旬にかけて車両基地へ搬入し、そのうち2本がことし冬ごろから運用を始める。

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新型3000A系の外観は、七隈線延伸で、福岡の空の玄関口である福岡空港へとつながるイメージにし、「希望の未来を示す、広く澄んだ青空」をイメージしたスカイブルーが入る。

また、西南部地域の山々の稜線をイメージしたグリーン(七隈線のラインカラー)も引き継がれる。

座席を7人掛けから5人掛けに、出入口付近のスペースを拡大

新型3000A系の室内では、両先頭車のみ出入口付近のスペースを拡大。座席を7人掛けから5人掛けに短縮することで、スムーズな乗降と車両内での流動性向上を図り、乗客の車両内での分散乗車や密の緩和を図る。

また、ユニバーサルデザインをめざし、車内では5つの新しい装備も導入した。

◆立ち座りしやすいシートの導入(両先頭車以外)……座面を通常座席より60mm高くし、座面間に仕切りとなるひじ掛けを設け、立ち座り動作の負担を軽減する座席を、優先席の一部に導入。

◆優先スペースの増設/2段手すりを設置……優先スペースを増設し、全号車に設置車いすやベビーカー使用者が利用しやすいよう2段手すりを新設。

◆吊手の増設/形状の変更……出入口部の乗客が利用できる吊手を増設。吊手の形状・方向を、三角・横向きに変更した。

◆ドア開閉動作ランプの設置……聴覚障がい者などがドア開閉のタイミングを確認できるランプを新設。

◆液晶式車内案内表示器の設置……車内案内表示器をLEDから液晶にすることで、視認性を向上させた。

天神南と博多の間の途中駅は「櫛田神社前」に

さらに、福岡市地下鉄 七隈線延伸事業区間の天神南~博多の間に唯一ある途中駅(福岡市博多区祇園町)の名は、「櫛田神社前」に決まった。

英語表記は「Kushida Shrine」。由来は、お櫛田さん”の愛称で、市民に広く親しまれているほか、櫛田神社に毎年奉納されている「博多祇園山笠」は、ユネスコ無形文化遺産に登録されているなど、観光客をはじめ、多くの来街者が訪れる場所から。

―――七隈線延伸区間は、2022年度に開業をめざし、工事がすすんでいる。