※2016年8月撮影

トップ画像は、肥薩線矢岳駅ホームの吉松行普通列車、キハ40  8102。

2021年4月、不通の肥薩線八代駅から木造駅舎撮影で前回は大畑駅まで来ました。

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ところが、大畑駅から矢岳駅にたどり着けなかったのです。レンタカーのカーナビ「目的地」に矢岳駅を入れても違う場所に案内されることが続き、1時間ほど時間を空費したところで矢岳駅に行くことを諦めました。この日は鹿児島中央まで行ってレンタカーを返却しなければならず、矢岳駅、真幸駅には既に4回ほど行っているので、駅舎を撮りたい大隅横川駅と嘉例川駅を優先することにしたのです。

結果的にはこれが正解だったことは嘉例川駅の回で説明します。

・・・とは言え矢岳駅の木造駅舎も素晴らしいので、過去のプライベート旅で撮ったスナップ写真を使って簡単に紹介します。

矢岳駅改札口。

※2016年8月撮影

トップ画像の2016年8月は、人吉駅7:18発の吉松行に乗りました。筆者以外は地元の老夫婦だけという空いた状態でした。矢岳駅で列車交換はできませんが7分間の停車。ディーゼル・エンジンをクールダウンするため?

「いさぶろう・しんぺい」での訪問時には大勢の観光客がいて、こんな無人の矢岳駅を撮ることはなかなかできません。

※2016年8月撮影

駅舎内。かつての出札窓口もそのままです。

※2016年8月撮影

これは2014年12月の写真。「いさぶろう・しんぺい」で来ましたがガイドさんに付いて皆さんがSL展示館に移動した後の駅舎内。高い天井が魅力。画像はオリジナルの4:3フレームです。(※以下オリジナルのフレームで表示されます)

※2014年12月撮影

駅出入口。ホームにはキハ40。

※2016年8月撮影

角度を変えて。レンズが汚れています。御容赦ください。

※2016年8月撮影

2019年3月に「いさぶろう・しんぺい」で来た時、駅舎の横にあったベンチが無くなっていました。この日は筆者の誕生日。夜は大好きな人吉の芳野旅館に宿泊、一人で誕生日を祝いました。

※2019年3月撮影

SL展示館の前から駅を見ています。「いさぶろう・しんぺい」も写っています。火の見櫓が最高!

※2014年12月撮影

駅名標。

※2014年12月撮影

矢岳駅は、1909年(明治42年)開業。当時の鹿児島本線敷設のために作られた駅で近隣に人家はありませんでした。駅所在地は藍田村でしたが、駅の南に矢岳岳を貫く矢岳第一トンネルがあるため矢岳駅となりました。その後地名も矢岳町になり、住民も増え昭和30年代には160戸約800人が暮らしていたそうです。2015年(平成27年)の国勢調査では、34世帯63人に激減していました。1972年(昭和47年)構内にSL展示館開設。

駅名標の横には、大畑駅から平均25.7パーミルの勾配を喘ぎながら上ってきた蒸気機関車の乗客用に手水鉢がありますが、現在水はでません。左にはかつての貨物ホームと引き込み線。現在の単式ホームもかつては島式ホームだったことが分かります。

※2014年12月撮影

人吉市SL展示館。奥の黄色い矢印、鐵道院と刻印された鉄柱です。鐵道院は1908(明治41年)から1920(大正9年)まで存在しました。初代総裁は後藤新平。「いさぶろう・しんぺい」のしんぺいです。運転士さんに伝えると「知らなかったねぇ」と興味深そうに見ていました。

※2016年8月撮影

出発の時刻になると皆さん列車に戻ります。左の白い柱には「矢岳駅 標高 五三六.九米」と記されています。

※2014年12月撮影

ここからはひたすら下りです。真幸駅に行きます。

(写真・文/住田至朗)

※木造駅舎などJR九州さんの許可をいただいて撮影しています。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道は感謝の気持ちを持って撮影しましょう。