JR九州は、九州新幹線 博多―鹿児島中央にスペノ・インターナショナル社(スイス)製レール削正車を導入する。

この新型レール削正車は、イタリアの工場で製作。現在イタリアから輸送中で、7月15日に熊本港(熊本市西区新港)で陸揚げし、熊本新幹線保守基地(熊本市南区富合町)へ搬送。11月ごろ九州新幹線 博多―鹿児島中央で稼働させる見込み。

レールの表面は、列車が繰り返し走行することで車輪との接触面に傷が発生しやすくなる。そこで、削正車に搭載された高速回転する砥石を押し当て、レールの頭部を削ることで、レールの寿命をのばす。また、レールの表面を滑らかにできるため、騒音対策の観点からも定期的なレール削正が行われる。

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スペノ製レール削正車は、3両編成で全長38メートル、重量120トン、最高速度は70km/h、作業時速度は4~6km/hで、床下にある16個の砥石でレール頭部をひと晩あたり700mほど削正できる。

いっぽう、既存の九州新幹線レール削正車1編成は、西九州新幹線 武雄温泉~長崎へ渡る見込みで、九州新幹線と西九州新幹線で合計2編成体制でレール削正を実施する。

スペノ社のレール削正車は、ヨーロッパをはじめ、世界中の鉄道で採用され、活躍する場はこうした高速鉄道・新幹線のほか、在来線、地下鉄、重量貨物路線、路面鉄道など多岐にわたる。

レール削正を定期的に行うことで、レールの耐用年数がのびるほか、レールと車輪の接触面の動的負荷が下がる、車輪交換インターバルを長くできる、燃費を低減できるといったメリットがある。