都心のオアシスと呼べる「ヒカリエデッキ」(左)と関係者、一般客によるテープカット

再開発が進む渋谷駅に、新しい歩行者用通路が誕生した。東急が渋谷ヒカリエに隣接する屋外部分に整備した「渋谷ヒカリエ ヒカリエデッキ」は、2020年1月に移設・供用開始した、東京メトロ銀座線渋谷駅ホームの上層部を有効活用した。

渋谷は地名通り谷形の地形で、東急はJR東日本や東京メトロとともに、坂道を上り下りする垂直移動をスムーズにする「アーバン・コア」の街づくりに力を入れる。今回完成したのは、青山方向の宮益坂から渋谷駅東口前を走る明治通りまでの区間。全長約190メートルで、面積約3000平方メートルの通路を造成した。

ヒカリエデッキは、通路沿いに植栽を配し、腰掛けての休憩もOK。通路には、風よけになる透明パネルを設置した。青山方向から渋谷へは谷を下る形になるため、ヒカリエ4階から明治通りにエスカレーターやエレベーターで降りる。

ADVERTISEMENT

東急は今後、JR渋谷駅を上層でまたぎ、宮益坂から道玄坂方向に平面で抜ける歩行者動線「スカイウェイ」を整備する計画。渋谷スクランブルスクエア、ハチ公広場、渋谷マークシティまでの動線は駅周辺再開発に合わせ2027年以降に整備される予定だ。

ヒカリエデッキのオープニングセレモニーは、関係者と一般客合わせて85人が通路の長さを生かして、十分なソーシャルディスタンスを確保しながらテープカットした。

文:上里夏生
(画像:東急)