※2020年12月撮影

トップ画像は、関西本線伊賀上野駅。重厚で端正な木造駅舎です。伊賀鉄道に乗るためにも来ているので何度も駅舎は眼にしていますが、いつ見ても美しい。そして朝夕の通学時以外はあまり人がいません。

駅前広場というか駅前ロータリーも大きいです。

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※2020年12月撮影

西側から。左手側には伊賀鉄道のホームがあります。伊賀市は伊賀忍者発祥の地なので伊賀鉄道は忍者(の装飾)だらけです。柘植駅からの草津線には甲賀忍者の甲賀(こうか)もあります。

※2020年12月撮影

以下は余談の類です。東京の上野は、諸説ありますが、そのひとつで江戸時代初期に伊賀上野の大名藤堂高虎の屋敷があったことから上野と呼ばれる様になったというものがあります。古典落語で江戸っ子が大名行列を見て「ありゃどこの殿様でぇ?」「ありゃあ加賀だ」などと言うのと同じ伝です。

その後江戸城の鬼門を守る寛永寺が徳川将軍家の菩提寺として建立されましたが、幕末の「上野戦争」で荒廃してしまいます。維新後にその荒れた地に日本で最初の上野公園が作られました。

渋谷という地名の起源が、小田急江ノ島線高座渋谷駅付近が本貫だった武士渋谷一族に鎌倉幕府から現在の渋谷が領地として与えられたことから始まったこととどこか共通しています。

駅前ロータリーの反対側から。関西本線の北側は琵琶湖まで広大な山地が広がります。

※2020年12月撮影

東側にはかつてコンビニエンスストアがありました。現在もシャッターが残っています。何度も来て分かっていますが、伊賀上野駅周辺に食料を入手できる店舗がほとんど無いのです。

伊賀市の中心には伊賀鉄道に7-8分乗って上野市駅まで行く必要があります。伊賀上野駅周辺で食事が不可能なコトはハラに沁みています。関西本線の亀山駅から加茂駅間は、空腹での訪問、お薦めしません。(笑)

※2020年12月撮影

駅舎の東側に何とも豪華なトイレがあります。平成19年(2007年)に寄贈されたものです。駅構内からも使える様にもなっています。

※2020年12月撮影

駅出入口。電話ボックスと郵便ポストの逓信省コンビ。右に伊賀出身の松尾芭蕉の句碑があります。

※2020年12月撮影

駅前に立って正面を見ています。「芭蕉 翁のふるさと 伊賀市」の看板。既述の様に飲食店などは見えません。

※2020年12月撮影

松尾芭蕉の句碑です。芭蕉(はせお)は俳号です。ここに置かれているのは宗房(そうぼう)と号した二十代の作品で蕉風を生み出す以前、俳諧連歌、談林派風の滑稽感が趣になっています。江戸に住んで桃青(とうせい)になります。芭蕉になるのはさらに深川に居を移し『野ざらし紀行』の旅に出てからです。 野ざらしを心に風のしむ身哉。

※2020年12月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)