JR東海は2021年9月30日、同社の一部社員を対象に、顔認証を用いた改札機通過の実証実験を行うと発表した。

顔認証技術を活用した新たなサービスの実現可能性を検証するために行われるもので、例として割引証の提出や証明書の提示が必要な利用者限定商品のネット販売やチケットレス化、顔認証のみによる改札機通過などが挙げられている。

実証実験では改札機を通過する際に顔認証用カメラで顔画像を撮影し、「顔の特徴量」を算出。事前に登録した実験対象者の特徴量と一致するかどうかを照合する。今回は「顔認証のみ」での改札機通過は行わず、対象者が当該改札機を通過する際に、ICカードによる利用判定と顔認証を行う。

顔認証の流れ(イメージ)

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顔認証用カメラは当該改札機の入場口・出場口の両方向に設置し、同改札機を通過する動画を常時撮影する。同改札機は一般の利用者も通過できるが、顔認証範囲内を通過した場合は同じように顔認証が行われる(事前に登録されたJR東海社員の特徴量と照合される)。

顔画像や特徴量は顔認証後に即時削除。取得した動画は、実験対象となるJR東海社員のもの以外は取得後24時間以内に削除される。もし対象者が通過する際に一般利用者が写り込んだ場合は、原則として3週間以内に個人を特定できないよう加工する。

保管した動画は独立したサーバ内で管理する。動画については必要な検証を行う過程で国内協力企業に加工・分析を委託する場合があるが、いずれも2022年3月31日までに削除される。

実証実験は2021年11月12日から翌年1月19日にかけて、東海道新幹線品川駅の北口3号機(IC専用改札機)、同名古屋駅の新幹線南口3号機(〃)で行われる。顔認証を避けたい場合は、他の改札機、あるいは別の改札口を利用する(実験に使われる改札機の周辺には案内が掲示される)。

画像:ぺいさま / PIXTA(N700Sイメージ)、JR東海(顔認証の流れ)
記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/