※2020年12月撮影

トップ画像は、和歌山線御所(ごせ)駅。実に端正な木造駅舎。左の旧事務室・宿直室部分に2020年(令和2年)6月にオープンした御所市の「御所駅まちかど案内所」(8:00~20:00)が入っています。駅舎がキレイなのは、このために駅舎を改修したからです。

駅出入口。簡易委託駅です。筆者が訪問した月曜日9時に窓口は営業していました。建物財産標があって記載は「明治29年4月」。駅が開業した1896年の建造です。

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1896年(明治29年)は、オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」やアルフレッド・ジャリの「ユビュ王」が欧州で初演された年です。日本では夏目漱石がまだ作家デビュー前、熊本第五高等学校の先生でした。その時代から人々を見てきた駅舎です。隔世の感があり過ぎます。(笑)

※2020年12月撮影

御所駅は、1896年(明治29年)南和鉄道が開業。1904年(明治37年)南和鉄道は関西鉄道に買収されますが、1907(明治40年)には鉄道国有化法で関西鉄道が国有化されます。1909年(明治42年)線路名称制定で和歌山線の所属駅になります。1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR西日本が継承。

初めて和歌山線に乗っていて駅名標を見た時は「ごしょ?」と驚きました。

北側の妻壁は、白い建材で改修されています。逓信省コンビ、郵便ポストは正面向きですが電話ボックスは内向き。

※2020年12月撮影

南側はオリジナルっぽい改修になっています。相対式ホームの上り線には簡素な西口が設けられています。線路の西側50mほどで国道24号線沿いに近鉄御所駅があります。

※2020年12月撮影

駅舎は下りホーム側にあります。上りホームには奥の構内跨線橋で渡ります。

※2020年12月撮影

駅前を南に行きます。木造駅舎が見えています。

※2020年12月撮影

東西にのびる新地商店街にでました。左のトラックの手前辺りから左に路地を入ると御所駅です。残念ながら商店街は半ばシャッター街の様相を呈していました。駐まっているトラックの横は閉店したパチンコ屋。月曜日の午前9時なのでまだ商店街は開店前だったのかもしれません。

※2020年12月撮影

商店街が渡る踏切から御所駅を見ています。右側に木造駅舎があります。

※2020年12月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)