前回、黒磯駅での電車の変化をお伝えしましたが、これは客車列車や貨物列車を牽引する機関車も同じです。当時は寝台特急「北斗星」「あけぼの」に加え、夜行急行列車「八甲田」「津軽」なども定期列車で運転されており、これらは客車列車で運転されていました。いずれも1980年代後半の時期には14系座席車になっていました。

まず、黒磯以北の久田野-泉崎間を走行する寝台特急「エルム」です。ここでは交流区間専用の機関車であるED75が牽引しています。この列車は黒磯でEF65などの直流区間用の機関車に付け替えが必要となります。

続いて「北斗星」です。これを撮影したのは黒磯以南の片岡駅付近ですが、交直流機関車であるEF81が牽引しているので、黒磯での機関車の付け替えをせずに上野まで運転しています。

このように機関車の充当を見ても、「北斗星」と「エルム」の格の違いを感じてしまいます。

ちなみに、寝台特急「エルム」は夏休みなどの多客期に当時3往復あった「北斗星」を補完するために運転されていた寝台特急で、「北斗星」と同じ上野-札幌間で運転されました。食堂車や個室を備えた豪華さがウリの「北斗星」に比べ、全車解放B寝台で編成された「エルム」は地味な存在でした。

黒磯駅を挟んで、直流電化、交流電化の話が続き、なかなか先に進まないので、次回はもう少し北に進みたいと思います。

※各写真は一回の旅行で撮影しているわけではなく、複数回にわたるものを編集しています。

記事:芝系太