琵琶湖の西、滋賀県。11月14日 日曜日。

新幹線・東海道線・北陸線・近江鉄道が接続する、鉄道の要衝―――米原。

ここ米原に安政元年のころから創業し、いまも駅弁をつくりつづける老舗駅弁屋が、井筒屋。令和元年に創業130周年をむかえた老舗中の老舗。

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かつては、在来線ホームにも駅弁屋・うどん屋を展開していたけど、いまは新幹線12番のりば(東京方面)にホーム内店舗を構え「お弁当の井筒屋」としていまも地元に、旅人に、愛されているブランド。

そんな井筒屋の本社屋が米原駅西口すぐにある

この本社屋にある、キッチン井筒屋が、とっても居心地いい新幹線ビュー食堂。

その名のとおり、調理フロアと、本社業務フロアと、レストランフロアが合体した、おもしろいフロア構成。

「調理場が見学できて、井筒屋の歴史も知ってもらいながら、井筒屋の味を楽しんでほしい」と話すのは、井筒屋 林秀行 取締役。

レストランフロアでは、9〜15時の間、駅弁や新幹線12番のりばで売っている うどん・そばメニューも熱々のままいける。

しかも、駅売店と同様に、ビールなども売ってるうえに、米原駅を発着する新幹線をながめながらゆっくりビール&名物肉うどんを往復できるから、しあわせ。

鉄道駅構内売店の歴史や、かつての鉄道関連物品も

さらに、井筒屋が培ってきた鉄道駅構内売店の歴史や、かつての鉄道関連物品、そして井筒屋 米原駅 在来線ホーム売店が映っている青春18きっぷ全面ポスターなども展示されていて、その世代の人にはうるっとくるはず。

1995(平成7)年の青春18きっぷに映し出されていた井筒屋 米原駅 在来線ホーム売店のポスターには、こんなコピーが添えられていた。

列車を降りると、
かならず誰かの
おなかが鳴った。

そこに映るのは、井筒屋でうどん・そばを手にする男女若者たち。

いつもみていた米原駅 在来線ホームの光景は消えたけど、このコピーと同じく、列車旅のお腹を満たしてくれる井筒屋の存在には変わりない。

彦根・八日市・日野・近江八幡と、4日間の出張を終えて米原途中下車で遭遇した、“新しい井筒屋”。

店内を案内してくれた井筒屋 林秀行 取締役は、「これからこのレストランフロアを拡大する予定。鉄道好き、うどん好き、駅弁好き、新幹線好き、みんなでぜひ来てみて」とも。

名物 肉うどんと缶ビールを、新幹線をみながらゆっくりいただいて、「ごちそうさまでした」と伝えて井筒屋を出ると、米原駅 新幹線ホーム12番のりばに11時57分発 ひかり 648号 東京行きが入ってきた。

なにも考えずに飛び乗ったら、定期の N700S 設定だった。なんだかいい感じ。ありがとう、滋賀。ごちそうさまでした、井筒屋。

<近江鉄道で行く滋賀の旅>
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画像:鉄道チャンネル
記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/