スミハツは、千葉・幕張メッセで開催中の鉄道技術展2021で、ボルトレス脱線防止ガードホルダーやアンチローリング装置用トーションバー、鉄道車両用板ばねなどの実機を公開した。

スミハツは、ばねや自動車シートを手がける大手自動車部品メーカー日本発条(ニッパツ)のグループ企業で、板ばね・巻ばね・鉄道軌道関連製品の設計・製造を手がける会社。

脱落しない構造のボルトレス脱線防止ガードホルダー

スミハツのボルトレス脱線防止ガードホルダーは、脱落しない構造が特長。従来品のガードレール固定方法は、座金とボルトによる締結。同製品はガードレールとブロックと座金で挟み込む構造に。

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こうした構造で、さまざまな部材の落下が生じないという。

車体のローリングをおさえるトーションバー

また、アンチローリング装置用トーションバーは、車体の左右方向の回転揺れ(ローリング)をおさえるべく、車体と台車の枠をねじり棒(トーションバー)と左右別々のリンクで連結するツール。

車体のローリングが継続してしまう空気ばねに代わり、ねじり棒(トーションバー)の復元力で左右の揺れをおさえ、大きなローリングに発展するのを抑制するという。

スミハツだけが持つ焼嵌め方式による担ばね

スミハツはまた、鉄道車両むけ担ばねの実機も公開。上下方向の緩衝装置として採用される担ばねは、いまもなお観光列車や貨車の一部で採用されていることから、需要があるという。

担ばねの特長は、板ばね中央部を胴締めで締結している点。なかをくり抜いた継ぎ目のない鉄製のブロックを使用し、加熱したあとにばね板をはめ込み、プレスによって4面を圧している。

さらにスミハツは、このプレスの加圧力と赤熱したブロックが冷めるさいの熱収縮を活かし、確実・強固に固定する焼嵌め(やきはめ)を実施する。

この焼嵌め方式で製造できるメーカーは、いまスミハツだけという。

―――車両・構造、運行管理、旅客設備、軌道、土木関連他あらゆる鉄道分野の技術が一堂に会する総合見本市、鉄道技術展2021は、幕張メッセ(京葉線 海浜幕張駅から徒歩5分)で2021年11月24~26日 10:00~17:00 開催中。詳しくは、鉄道技術展 公式ホームページへ。

画像:鉄道チャンネル
記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/