非常用設備の表示共通化や手荷物検査の環境整備など 車内傷害事件への備え進む 関鉄は対応訓練

2021.12.17

関鉄の不審者・不審物対応訓練で警察官に取り押さえられる犯人役の参加者

一部鉄道会社の車内で発生した傷害事件への国レベルの対応が進んでいる。国土交通省は2021年9月と12月の2回にわたり、対策を取りまとめて全国の鉄道事業者に通知するとともに、利用客にも異常事態発生時には迷わず非常ボタンを押すなど、安全や安心の回復に全力を挙げている。

2021年9月の対策では、警備強化や防犯カメラ増備、警察との連携充実、最新技術を活用した不審者・不審物検知の高度化、関係者間のリアルタイム情報共有推進などを打ち出した。続く第2弾の対策には、非常用設備の表示共通化、車内防犯関係設備の充実、手荷物検査実施に関する環境整備などを盛り込んだ。

このうち表示共通化では、非常通報装置やホームドア取り扱い装置など、同一の名称でも事業者や路線ごとに機能が異なる事例があることを課題視。専門家の意見も聞きながら、表示方法の共通化を検討して実行に移す。

車内設備に関しては、車両新造時や大規模改修時に車内防犯カメラを設置することを技術基準に定める方針で、国交省は費用負担のあり方などに踏み込んで協議する。さらに、非常通報装置の作動時、車内状況の把握方法に関しても検討を始める。

手荷物検査に関しては、利用者への理解や協力を促す。同時に警察との連携も図り、不審者への対処や検査のノウハウの共用化に取り組む。

事業者レベルでも対応が進む。茨城県の関東鉄道は2021年12月9日、列車内や駅での不審者・不審物発見を想定した訓練を常総線下妻駅で実施した。

関鉄と下妻警察署、下妻消防署と合同で実施した訓練には、関係機関から52人が参加。関鉄社員が乗客役の参加者を避難誘導する一方で警察や消防に連絡。訓練では、警察署員が講師を務め、乗客の安全を守る対応方法を伝授した。

画像:関東鉄道
記事:上里夏生


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