買い手よし、売り手よし、世間よし。三方よしの理念を商売の基本とし国内外へとビジネスを展開した近江商人の街のひとつ―――近江八幡。

豊臣秀次の時代につくられた八幡山城下町には、その時代を色濃く残す屋敷や味処がいまも点在しているってことで、今回は「貨物輸送時代を想像する駅歩き」と、「滋賀といえば近江牛」を体感する夕暮れのひとときを。

上の画像は、近江八幡駅の南北自由通路から京都・大阪方をみた風景。線路端の広告看板を境に、右側がJR線、左が近江鉄道の敷地。

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JR線敷地の最も左寄りの線路は保線基地につながっていて、この日はマルチプルタイタンパーがとまっていたからか、レール面もにぶく光っている。

この奥に、小さくてみえないけど、かつて近江鉄道とJRの線路がつながっていた跡がある。いまはその途中で線路が切れていて、車止めが置かれている。

かつて、この連絡線を伝って、国鉄と近江鉄道の線路を行き来する列車があったという。

東海カーボン滋賀工場専用線を行く貨物列車

この画像は、こんどは反対側、近江八幡駅の南北自由通路から彦根・米原方をみた光景。

国鉄と近江鉄道の連絡線を行き来する貨物列車は、この画面の左側の線路(トラックすぐ近くの線路)を伝って国鉄線から近江鉄道線へと入り、八日市線の次の停車駅、武佐駅をめざした。

この武佐駅に東海カーボン滋賀工場があり、1984(昭和59)年ごろまで貨物列車が走っていた。

―――そんな近江鉄道八日市線・東海道線 連絡線を行く貨物列車を駅のまわりから想像していたら、もう夕方。「腹が、減った!」

井之頭五郎と同じように、近江八幡駅から八幡山ロープウェーへと続く小幡町通り(近江八幡停車場線)を急ぎ足でたどりついた店が……。

近江牛専門牧場直営 カメチク!

地元の人から「近江牛を手軽に味わうなら、近江八幡駅前のカメチクがええと思うよ」と教えてもらったとおりに、カメチクへ。

ここカメチクは、神戸牛や松阪牛など国内3大ブランド和牛のひとつに数えられる近江牛が、がっつり味わえる場所。

「近江牛の里 滋賀県近江八幡市大中町 食肉牛生産発祥の地、彦根藩の伝統をいまに伝える店」ってことで、とにかく庶民的な価格と激ウマさ。

上バラやカルビもいいし、「近江牛ホルモン」カテゴリはもっと安くて新鮮でうまい!

―――八幡山ロープウェーで山頂から琵琶湖を一望したあとの近江牛は、さらにうまい。近江鉄道の電車旅のあとは、こうした近江牛といっしょに夜を楽しんでみて。

<近江鉄道で行く滋賀の旅>
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(※同シリーズの画像はすべて許可を得て撮影しています)