※2022年1月撮影

トップ画像は、小湊鉄道月崎駅。2022年(令和4年)1月5日16時30分撮影スタート。流石に夕景ですが、むしろこれがよかった。

何と言っても駅舎と駅前広場、その静けさと清冽な空気に感じ入りました。個人的に「小湊鉄道の木造駅舎のある駅で最も好きな駅を一つ選べ」と言われれば月崎駅と答えます。

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※2022年1月撮影

しかし、その静けさには理由がありました。周辺住民が小湊鉄道の駅で最も少ないのです。月崎駅を中心に描いた半径500m直径・1kmの円内には33世帯91人しか住民がいないのです。

同じ範囲に小湊鉄道の五井駅は、2,041世帯4,031人が住んでいます。それでも筆者の実家、JR中央線武蔵小金井駅の6,657世帯12,399人の3分の1・・・。(数字は国勢調査から)

とは言え武蔵小金井駅周辺に家が犇めいているワケではありません。高層マンションは建っていますが、実家近くの国分寺崖線(駅から徒歩5分ほど)では晩夏に蜩(ヒグラシ)の声が聞こえます。

※2022年1月撮影

月崎駅は、1926年(大正15年)開業。1967年(昭和42年)駅は無人化。2017年(平成29年)小湊鉄道月崎駅本屋、プラットホーム、旧下りプラットホームが国の登録有形文化財になっています。

駅舎は1926年(大正15年)のオリジナルですがキレイに改修されています。

※2022年1月撮影

駅舎横に登録有形文化財の案内。

※2022年1月撮影

その内容の概略。

「大正15年の駅舎、設計・施工は鹿島組(現・鹿島建設株式会社)木造平屋切妻造、屋根は瓦葺き。外観は洋風下見板張り。待合室前面に間口2間の玄関ポーチ。北側にあった宿直室は撤去されている。笠石にコンクリートブロックの延長76mのプラットホーム。当初からの鉄道景観を伝える。77mの旧下りプラットホームは昭和42年の駅無人化の際に単線化され使われなくなった。」

案内板の横から旧下りホームと駅名標が見えます。

※2022年1月撮影

南西から駅舎。待合室の灯りが分かるほど暗くなってきました。

※2022年1月撮影

駅舎正面。平屋ですが玄関ポーチの切妻が大きいので屋根の位置が高い。

※2022年1月撮影

駅舎出入口。奥に木の改札口。待合室に券売機はありません。

※2022年1月撮影

駅前、県道沿いのヤマザキショップで月崎駅の入場券・乗車券を販売しています。

※2022年1月撮影

※タイトルは『木造駅舎』となっていますが、厳密に「構造として木造建築」の駅舎だけをとりあげているワケではございません。あくまでも筆者が気に入った駅舎を恣意的に選ばせていただいています。外観が明らかに木造建築と異なる場合でも、煩雑を避けるためタイトルは【木造駅舎カタログ】のまま進行いたします。悪しからずご了承ください。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを伝えましょう。ありがとうございます。

(写真・文章/住田至朗)