いちばん上の画像は8年前、2014年1月の名古屋市科学館 屋外。その下の画像は、2022年1月の風景。小さくてかわいい蒸気機関車 国鉄2100形 B6型2412 の姿が、いまない。

名古屋市科学館で保存展示されていた、この国鉄2100形蒸気機関車(ドイツ ハノーファー社製)B6型2412 は、動態保存をめぐって、大阪のサッパボイラなどに送り込まれ、その後の行方が注目を集めていた。

ボイラーを復活させて、敷地内に敷いた100メートルほどの線路の上を走らせるという計画があったころは、「現役時代と同じく蒸気で走らせるのに4億8000万円かかる見込みで、蒸気ではなく別のエネルギーで走らせることで、5000万円前後のコストで済む」という話があった。

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そこへ昨年夏、「圧縮空気によって車輪を動かす」という話でおおむね決まり、旧型客車2両をいっしょに手に入れて公開展示する方向ですすんでいる。

B6型2412 は、いまどこにいるか?

いま、あのかわいい国鉄2100形蒸気機関車(ドイツ ハノーファー社製)B6型2412 は、どこにいるか?

B6型2412 は、サッパボイラへと運んだ富山県高岡市の運送会社の倉庫に保管されているという。

いつ、名古屋市科学館に戻ってくるか。科学館にいた当時、B6型2412 については、こう解説されていた。

「B6型蒸気機関車の基本設計はイギリスで行われました。B6には、製造年、製造所によって、2100、2120、2400、2500の4つの形式があります。科学館に展示した2412号は、1904(明治37)年、ドイツのハノーファー社で製造されました。日露戦争の軍事物資を輸送するために輸入されたといわれています」

「その後、1905(明治38)年4月から鉄道作業局の所属となりました。大正時代には中央線、昭和になってからは武豊線、高山線を走りました。そして、1948(昭和23)年1月に高山機関区で廃車となってから、石原産業株式会社四日市工場に払い下げられ、1968(昭和43)年7月まで、工場内の専用線で貨物、社員の通勤輸送のために使われました」(名古屋市科学館)

―――名古屋市などは、「3月中に2022年度予算を決めていくなかで、この蒸気機関車の保存の方向性を検討していく」という。