カップ介護食にとろみ付き自販機…高齢者を救う介護食の進化、スーパーなどで手に入る介護食商品にも注目!
この先、避けて通れない超高齢化社会に突入し、国内で急拡大する市場のひとつが、高齢者むけ食品市場。
高齢者むけ食品は、経口流動食や栄養補給食、とろみ調整食品、固形化補助剤などが現れはじめ、2025年には2018年と比較し、全体で25.5%増の2046億円、なかでも「在宅むけやわらか食」の市場は80.7%増と大幅拡大し、75億円になる見込み。
そこで今回、注目するのが、高齢者を救う介護食の進化と多彩なラインナップ。日々進化する介護食のトレンドをチェックしていこう。
レンジでチンしてそのまま食べられるカップタイプ系も登場!
おいしさ・見た目の両方が進化している介護食。
自宅でおいしくかんたんに食べるシーンを想定した「やわらか食家電」や「カップ介護食」が発売されているほか、好きなモノを食べたいが食べられないというニーズを解決すべく「溶けにくいアイス」「摂食・嚥下和菓子」など、進化した介護食が次々と登場している。
コンビニやスーパーでも「UDF」(ユニバーサル デザイン フード)表記の商品が増え、いわゆる「やわらか食」といわれる商品もよく目にするようになってきた。
安全でおいしい介護食をつくるためには、調理側の知識や技術が必要で、すべて支援者・介護者が担おうとすると負担が大きいなどから、いまコンビニやスーパーなどで手に入る介護食系商品が注目を集めている↓↓↓
カップ介護食 キユーピー「やさしい献立」
カップ介護食
商品名:やさしい献立(キユーピー)
価格:254円
オムライスなどなじみの深い料理をやわらかく調理し、とろみをつけた介護食。カップ入りで容器のままレンジで温めて食べられる。賞味期間が1年以上のため、災害用のローリングストックにもできる点も特長。
https://www.kewpie.co.jp/udfood/product/cup_03.html
ロッテ「とけにくいアイス ゆったりバニラ」
とけにくいアイス
商品名:とけにくいアイス ゆったりバニラ(ロッテ)
価格:オープン価格
ゼラチンを加え特別な製法で作ることで、25度の室温に30分置いてもカタチがくずれない溶けにくいアイス。食事を食べきるのに時間がかかる老人ホームの利用者の声から生まれた品。
https://lotte-shop.jp/shop/e/eLice202103/
みかど本舗「なめらかすてら」
なめらかなカステラ
商品名:なめらかすてら(みかど本舗)
価格:4個入り 1296円
生地に寒天を加え、下でつぶせる柔らかさになるように開発されたカステラ。摂食嚥下障害の認知向上やプロジェクトによって誕生。カステラは砂糖や小麦粉、卵などでつくられているため、たんぱく質などのエネルギー源を摂取できる。
https://yumecastella.com/
介護食の進化は止まらない! いま注目のプロジェクト
レンジでチンしてそのまま食べられるカップ入り介護食や、高級フレンチフルコースの介護食など、介護食の進化・多様化がすすむいま、介護食の進化を支える官民のプロジェクトについても紹介。
介護食シリーズ「やさしい献立」(https://www.kewpie.co.jp/udfood/)を展開するキユーピーは、従業員にむけてフレイル(虚弱・老衰)予防を啓発中。
たとえば、オフィスの執務エリアサイネージにフレイル予防に必要な3つの柱や食事の摂り方などを掲示。
さらに「フレイルの日」に、東京2か所のオフィスの社員食堂では、自社商品のユニバーサルデザインフード「やさしい献立」を使用したメニューが並ぶ。
フレイル予防を、高齢者だけの問題ととらえず、いまから備える大切さをグループ従業員が理解し、周囲に伝える動きにつなげることをめざしているという。
また、栄養食品メーカーニュートリーは、加齢や脳梗塞などの病気が原因で食物をのみ下すえんげ(嚥下)機能に障害のある人のために考案された介護食として「えんげ(嚥下)食」を提案中。
介護食とえんげ食の違いは、飲み込みやすさに加え、味も外見も一般料理とそっくりにして患者らに「食べる楽しみ」を取り戻してもらうための料理。
2021年には、えんげ食の普及啓発すべく、オリジナルレシピコンテスト「嚥下食レシピ大賞」を開催した。
―――日本歯科大学 口腔リハビリテーション 多摩クリニック 菊谷武 院長は、介護食を楽しく上手に続けるポイントとして、「栄養はもちろん、おいしさを感じながら食べることが大切」「市販品や外部サービスを活用し、支援者・要支援者も、介護者・要介護者も無理をしないよう工夫する」などを挙げる。
超高齢化社会のなか上手に付き合いたい介護食。気になる人は「介護食 商品」などで検索して、そのトレンドをチェックしてみて。