ホテルメトロポリタン エドモントのロビーに設置された「E5系シミュレータ」(写真:ホテルメトロポリタン エドモント)

JRや東京メトロ・都営地下鉄の「飯田橋駅」から徒歩数分。JR東日本グループのホテルメトロポリタン エドモント1階ロビーに「E5系新幹線シミュレータ」が設置されました。

ホテルメトロポリタン エドモント外観
実車同様のモックアップ、大きさは全長約370cm×幅約240cm。中に運転台が設置されています

JR東日本の「新幹線イヤー2022」キャンペーンに連動したもので、宿泊やブッフェとのセットで、東北新幹線「小山~宇都宮」間の運転が体験できます。シミュレータの設置期間は2023年3月末まで。現在は2022年7月15日(金)までの申込を受付中です。

ホテルメトロポリタン エドモントの担当者によると、「思い切ってモックアップ付きのシミュレータをホテルに置いたら面白いのでは」「コロナ禍でなかなか旅行に行けない状況が続くなか、旅の楽しい気持ちを思い起こしていただきながら、旅に出たい思いを喚起できるようなホテルにしたい」という経緯で実現したそうです。

実機器やリアルな映像・音を使用 日本で初の一般公開

画面には実際の列車から撮影した映像が流れます。左上には宇都宮駅までの距離を表示

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この「E5系シミュレータ」、元々はJR東日本の国際展示用に音楽館が製作したものです(JR東日本監修)。

看板に“2014年~2017年にかけては、ドイツ、マレーシア、シンガポール、インド、アメリカなど世界各地で、安倍首相(当時)らによるトップセールスにも使用されました“という記載がある通り、各国首脳が触ったであろう実機を持ってきました。日本での一般公開は今回が初めて(E5系のシミュレータそのものは大宮の鉄道博物館にもありますが、仕様は少し異なります)。

運転台には実機器を採用し、新幹線の信号保安装置DS-ATCや各種機器の動作も忠実に再現されています。画面に流れる前面展望映像は実際の列車で撮影されたもので、走行音やモーター音も本物。E5系ファンにとっては嬉しい仕様ですね。

「初級編」(約5分間)と「上級編」(約10分間)の2つのメニューが用意されており、「初級編」は音声や文字によるガイド付き、「上級編」はガイドなしで小山駅発車から宇都宮駅停車まで自身で操作します。

運転台左にブレーキハンドル、右にマスコンハンドル。足元には警笛ペダルも設置されています
運転台左側の計器類も連動して動きます
初級・上級コースを選択可、初級コースでは駅間の一部区間がカットされています

なお、実際に東北新幹線で時速320キロ運転が行われるのは宇都宮以北ですが、本シミュレータでは小山~宇都宮間で同様に時速320キロで走らせることができます。他にも、宇都宮駅入線の際にタイミングよく足元の警笛ペダルを踏むと、ホームの乗客が気付いて下がるなど、ちょっとした隠しイベントも仕込んであるそう。

記者もちょっと触らせていただきましたが、目の前に普段は決して見られない前面展望が広がっているのがとても新鮮でした。ガイド付きだと「ブレーキハンドルを4にして減速しましょう」など丁寧に教えていただけるので、なるほど東北新幹線の運転手はこのタイミングでブレーキハンドルやマスコンを捌くのか、と実感できます。