※2022年3月撮影

おはようございます。晩春、夜が明けるのが早くなってきました。筆者の住む三浦半島でも5時前には鳥たちが啼き始めます。これから初夏にかけて朝が気持ち良いですね。

トップ画像、JR東海飯田線伊那八幡駅。見た瞬間、「魅力的だなぁ」と嘆息がでました。古い木造駅舎が好きで筆者は全国を回っていますが、この駅舎には、伝統的な木造駅舎とは異なる「昭和の洋館」の何とも言えない美しさがあります。駅出入口のマンサード風のファサードがチャームポイントですね。

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南側からの眺め。入母屋に小さめの切妻というちょっと不思議な屋根の構成になっています。

※2022年3月撮影

飯田線は、天竜峡駅で深い山々を抜け出し飯田から伊那に広がる大きな盆地に入りました。周囲に遠く山々はありますが、空が広い! 辰野駅までは比較的平らな場所を進むコトになります。

※2022年3月撮影

切妻屋根の破風にデザインされた通風口。手前部分は待合室です。右のフェンス内には駅構内の電気設備があります。

※2022年3月撮影

フェンス越しに上りホームの駅名標を撮りました。

※2022年3月撮影

伊那八幡駅は、1926年(大正15年)12月、昭和が始まる直前に伊那電気鉄道が開業しました。鳩ヶ嶺八幡宮(はとがみねはちまんぐう)があり駅前一帯は「八幡町」です。

昭和元年は、大正15年12月25日から始まり31日までの7日間でした。余談ですが、逆に昭和64年は、1月8日に平成が始まりましたからやはり7日間しか無かったのです。長い昭和の最初と最後が奇妙に短いのです。

ちなみに駅舎の建物資産標は「鉄 03-5001 S1年12月」となっていました。この短い昭和元年なのです。昭和元年の記載は珍しいと思います。

伊那八幡駅は、1943年(昭和18年)国有化され飯田線の駅になります。国鉄分割民営化でJR東海に継承されました。

駅出入口上の庇を支えている金具も凝ったデザインです。壁面のモルタル表面も手の込んだ加工が施されています。

※2022年3月撮影

出入口正面。コーニスにある模様はラーメンどんぶりの中華スタイルかと思いましたが、違いますね。(笑)しかし、モルタル表面の凝った装飾が見事。無人駅。

※2022年3月撮影

駅前の県道232号線北側から。

※2022年3月撮影

駅正面には、スーパーマーケットや飲食店などが並んでいます。

※2022年3月撮影

伊那八幡駅は実に個性的で魅力のある駅舎でした。木造駅舎ファンならずとも一見の価値があります。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)『長野県鉄道全駅 増補改訂版』(信濃毎日新聞社/2011)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを伝えましょう。ありがとうございます。

(写真・文章/住田至朗)