※2022年3月撮影

トップ画像、JR東海飯田線伊那福岡駅。今回は【鉄筋コンクリート駅舎カタログ】です。(笑)

1999年(平成11年)に旧木造駅舎を解体して作られた羽場駅駅舎(というか待合室)もなかなか斬新なモダン建築ですが、伊那福岡駅は飯田線全駅舎中でも圧倒的にモダンなデザインです。何度かこの駅に停車する度に正面から駅を見てみたいと思っていました。

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駅前ロータリーからは駅舎は小さくしか見えません。右の「語らいの場 ふくらみ」は居酒屋さんかな、なかなか魅力的です。

※2022年3月撮影

周囲にモダン・デザインが見当たらないので、知らなければ駅に見えないかもしれません。

※2022年3月撮影

駅舎(待合室)自体は大きくありません。

※2022年3月撮影

伊那谷には田切地形と呼ばれるものがあります。天竜川の河岸段丘、断層崖を横断する太田切川、中田切川、与田切川が激しく段丘面を浸食して深い谷を作り出しました。この独特の田切地形を走る飯田線には「伊那のΩカーブ」と呼ばれる急カーブが数カ所存在しています。

このΩをデザインに取り入れて伊那福岡駅の特異な丸い出入口と全体が形作られた様です。

※2022年3月撮影

筆者は、長く使われている木造駅舎が大好きです。でもモダン建築が嫌いというワケではありません。何しろ建築士だった亡父がデザインしたモダン建築の奇妙なデザインの実家で育ったのです。大正生まれの亡父は、正にモダニストでした。建築雑誌や写真集が大量にある環境でしたし、学生時代の専攻が美術史だったこともあって古建築からフィリップ・ジョンソンの超モダンな教会まで建築を見るのが好きです。

いずれにしても「潔いモダンさ」が伊那福岡駅の魅力。

※2022年3月撮影

フェンス越しに相対式ホーム2面2線。飯田線の反対側には大きな製材所工場があります。

※2022年3月撮影

伊那福岡駅の正面、西側には、駒ヶ岳など3000メートル近い山々も連なる木曽山脈が雪をいただいているのが見えます。この景色も伊那谷の魅力です。

※2022年3月撮影

次回から本来の【木造駅舎カタログ】に戻りますのでご安心下さい。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)『長野県鉄道全駅 増補改訂版』(信濃毎日新聞社/2011)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを伝えましょう。ありがとうございます。

(写真・文章/住田至朗)