高速船「クイーンビートル」再開断念、クラック発生リスクを払拭できず……JR九州発表
JR九州は23日に取締役会を開催し、連結子会社であるJR九州高速船の船舶事業撤退について決議。今年8月から運休を続けていた高速船「クイーンビートル(QB)」の運航再開を断念しました。
クイーンビートルは全長83メートル、定員502席の高速船。オーストラリア製で、2020年9月に進水。コロナ禍のため当初は国内航路で使用され、西九州新幹線「かもめ」の海上輸送を見学するツアーなどでも活躍。2022年11月に福岡~釜山航路に就航しました。
【参考】【人気ツアー再び】西九州新幹線「かもめ」海上輸送をクイーンビートルから見学 3月下旬実施
https://tetsudo-ch.com/12237413.html
2023年2月に浸水が確認されたものの、JR九州高速船は親会社であるJR九州や九州運輸局への報告を行わずに運航を継続し、行政処分を受けていました。今年2月にも浸水が確認され、航海日誌やメンテナンスログにも記載せず別途浸水に関する管理簿を作成、5月には浸水を知らせる警報センサーの位置をずらして運航を続けていました。こうした浸水隠しが国交省の調査により発覚し、8月13日から運休となりました。
JR九州とJR九州高速船は、クイーンビートルの運行再開に向けて、安全管理体制の見直しと会社全体での安全意識の醸成に取り組むとともに、船体のハード対策を検討してきたといいます。
しかしながら、ハード対策を施しても船体へのクラック発生のリスクを完全に払拭することはできず、運行再開のための確実な安全は担保できないと判断。今後の継続的な事業運営などを総合的に勘案した結果、船舶事業からの撤退を決定したということです。
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