在宅医療・災害医療の現場が、ポケットサイズ超音波診断装置「Vscan」シリーズで飛躍的に変わる―――そんなわくわくする記録を、GEヘルスケア・ジャパンが発表した。

GEヘルスケア・ジャパンが2010年からリリースしてきたポケットサイズ超音波診断装置「Vscan」が、シリーズ国内累計出荷台数1万台を突破。

その1万台目となる最新モデル「Vscan Air」が、GEヘルスケア・ジャパン 多田荘一郎 代表取締役社長兼CEO から、医療法人社団心愛会 TOWN 訪問診療所 木下幹雄 理事長 院長の手に渡った。

在宅医療・救急医療・災害医療で求められるコンパクト性・高精度を実現

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高齢化が急激にすすむ日本では、へき地や過疎地のみならず、都市部でも訪問診療や在宅看取りへのニーズが拡大し、救急医療も含めた医療体制全体の効率化や、地域の医療連携がますます求められている。

こうした在宅・救急医療に加え、自然災害の多い日本では災害医療への迅速な対応も課題にあり、コンパクトでモバイル性があり、高精度な検査機器が現場で求められていた。

そこでGEヘルスケアは、生体を傷つけずリアルタイムに精密な検査を実現するポケットサイズ超音波診断機器を開発。

2010年にリリースしたモデルは、スキャン部とモニターがコードで結ばれたタイプで、ここから改良を重ね、現行の最新モデル「Vscan Air」(画像 最も右)へと結実。

コミュニケーションデバイスとしても役立つ「Vscan Air」

最新モデル「Vscan Air」は、市販のスマートフォンやタブレットPCと、本体機能を内蔵したスキャナー(プローブ)をワイヤレス接続するところが画期的。

防水防塵設計のポケットサイズでワイヤレス&デバイスフリー、リニアとコンベックスの2in1で高画質を実現させ、訪問診療や救急、POCUS(Point Of Care Ultrasound:患者のベッドサイドで行う超音波検査)、看護、災害現場などさまざまなシーンで正確・迅速な診断ができるようになった。

「Vscan Air」はこうした画期的機能で、これまでの聴診器のように医師や医療従事者のポケットに収まり、患者にビジュアルで直感的に身体の現状を共有できるツールとして、注目を集めている。

「たとえば患者の意思表示が困難な場合も、画像に映し出すことで、患者や家族にその場で納得が得られる。コミュニケーションデバイスとしても Vscan Air は役立つし、リアルタイムで出すことで他施設と連携も取れる」(GEヘルスケア・ジャパン 多田荘一郎 代表取締役社長兼CEO)

診療の確実性・正確性、安心感・信頼感も大きくアップ

国内累計出荷1万台目の「Vscan」を導入した TOWN 訪問診療所 木下幹雄 理事長は、都内で運営する4つの診療所でポケットエコーを活用していく今後について、こう期待を込めた。

「在宅医療の現場では、採血結果もすぐに出せない、レントゲンもとれないという状況で、現状は医師の経験や直感に頼っている部分が多かった。こうした状況下で、この「Vscan Air」の導入は大きな意義がある。

診療に対して不安だったところに、診療の確実性・正確性がアップできる。治療の結果に大きく影響すると期待している。

エコーの画像を患者と医師が共有でき、安心感・信頼感も大きくアップするだろう。まさに、聴診器に加えて、もうひとつ信頼できる“相棒”がひとつ増えたという感。頼れるデバイスになってくれるはず」(TOWN 訪問診療所 木下幹雄 理事長)

GEヘルスケア、技術教育の遠隔支援機能も開発し近日リリースへ

GEヘルスケアは今後、コロナ禍などの非常事態にも対応できる技術教育の遠隔支援機能を開発し、「Vscan Air」といっしょに近日中にリリースする予定。

これまでは会場に集合し実施していたエコーのトレーニングは、コロナ禍で一堂に集まることが困難という状況にあるうえに、日々多忙な医療従事者が会場へ移動するという点でも難しかった。

このGEヘルスケアの「技術教育の遠隔支援機能」を利用することで、オンラインで遠隔地の講師・参加者とシームレスにリアルタイムで連携し、対面で行うと同様に実技訓練を受けられるという。

またGEヘルスケアでは、質の高い医療を下支えする技術教育の重要性を認識し、新技術獲得を支援する新たな教育の機会を提案するなど、教育面でのサービス提供にも取り組んでいくという。

◆Vscan Air
https://www.gehealthcare.co.jp/products/ultrasound/handheld-ultrasound-vscan-air