稲毛が高級別荘地だった時代の風【駅ぶら05】京成千葉線210
※2022年8月撮影
トップ画像は、旧神谷傳兵衛稲毛別荘(現・千葉市民ギャラリー・いなげ)2階、階段上の照明器具。何ともシックなシャンデリアです。
洋館の2階が見事に和の空間です。階段を上がって突然変化しましたが、違和感を感じなかったことがむしろ不思議。たぶん階段の空間デザインに秘密がありそうです。
※2022年8月撮影
今は洋間中心の建築が多いので、和の空間を見ると子供の頃に遊んだ祖父の家、広い座敷と床の間を思い出して懐かしくなります。夏の間、襖は籐の簾戸に替えられ、季節感が味わえました。エアコンなど無い時代の話です。(笑)
※2022年8月撮影
天袋と違い棚、下には地袋。お手本の様な書院造りです。右の床柱は葡萄の木。流石ワイン醸造家の別荘。
※2022年8月撮影
床の間の床畳が広く豪勢です。付け書院も凝ったデザイン。掛軸の「會古通今」は、古(いにしえ)を會(さと)れば今に通じる、ということでしょうか。
※2022年8月撮影
縁、廊下も畳敷き。奥はアプス(後陣)になっています。外観の洋館がこの様な形になっていてちょっと不思議な空間ですが、実に快適。
※2022年8月撮影
窓からは樹木が見えますが、この別荘が建てられた頃は、国道が海岸線。見えているマンションの手前がおそらくは波打ち際だったのです。木々もここまで大きく茂ってはおらず遥か遠くまで青い海が望めたことでしょう。
※2022年8月撮影
1階のベランダ。元々は、気持ちの良い海風に吹かれて過ごす場所だったはずです。
※2022年8月撮影
庭園を通って退出します。
※2022年8月撮影
京成稲毛駅まで稲毛公園松林を通って帰ります。
※2022年8月撮影
広葉樹も多いので凄まじい蝉時雨でした。
※2022年8月撮影
それでも、かつての海岸を想起させる松林が広がっていました。
※2022年8月撮影
稲毛が、高級別荘地だった時代の風に吹かれて散歩を楽しむことができました。
(写真・文/住田至朗)
※駅構内などは京成電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。
※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。