山手線E235系イメージ(写真:T2 / PIXTA)

JR東日本は2022年9月16日、国土交通大臣に通勤定期運賃の変更許可申請を行ったと発表しました。同社が来年3月に導入する「オフピーク定期券」に関係する届け出です。

「オフピーク定期券」は3密回避や混雑緩和のニーズを受けて導入される新しいかたちのIC通勤定期券です。混雑するピーク時間帯の利用にはIC普通運賃が必要となりますが、それ以外の時間帯では通常の定期券として使用できます。グリーン定期券・FREX(東京~大宮・東京~新横浜間等)、学生向けの通学定期券にはオフピーク定期券の設定はありません。

各駅のピーク時間帯は、おおむね「オフピークポイントサービス」に準拠した時間帯となる模様です。試しに「オフピークポイントサービス 対象時間帯検索」から確認してみると、おおむね6時台~8時台の1時間30分が対象となっていることが分かります。また、同じ路線でも基本的には東京に近い方がピーク時間帯は遅めになり、たとえば埼京線の大宮駅(6:45~8:15)と池袋駅・新宿駅(7:30~9:00)ではおよそ45分のズレが生じます。

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設定区間は「東京の電車特定区間完結となる区間」とされていますが(下図参照)、JR東日本線と私鉄・地下鉄線にまたがるSuica通勤定期券においても、JR東日本線が設定区間内であれば選べるようになる予定です。

設定区間(画像:JR東日本)

値段については、オフピーク定期運賃は現行の運賃より約10%値下げした額に設定。一方、電車特定区間内完結となる通常の通勤定期運賃については、JR東日本は23年3月に約1.4%値上げする予定です。なお、通常の通勤定期運賃・オフピーク定期券いずれにもこれらの定期運賃に「鉄道駅バリアフリー料金」が加算されます。

2023年3月以降のJR東日本通勤定期券価格図解(画像:JR東日本)

簡単にまとめてしまえば「通勤ラッシュで混雑する時間帯以外は通勤定期券として、朝のラッシュ時に乗るときは普通のICカードと同様に運賃が必要になります。その代わり定期券代はお安くしますよ」といった趣旨のもので、有効に活用できるかどうかは会社の出勤形態に大きく左右されそうです。