さつまいものようなかたちをし、テレビやネットでいつも微妙なポジションで扱われる関東の自治体―――埼玉県。

いまこれを記してる自分も、出身が埼玉県。生まれてから小学校、中学校、高校と、埼玉で生きてきてた。

ダサいの語源のひとつ、「だから埼玉なんだよ」を略してダサいとなった説も、いまでは「ダッサ」「だせえ」となり、すでに埼玉の「さい」がなくなってるのも、またダサい。

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そんなダサい埼玉が大好きな自分は、久しぶりに県民と会うと、「そうそう。そうなんだよね」とみんなで納得して「いえーい、そんな埼玉にかんぱーい!」とグラスをあわせる話題がある。

それは、埼玉県の県南を東西に貫く武蔵野線エリアにある4つの文化圏のこと

埼玉県をGoogleマップなどでみる。県南を横に貫く武蔵野線は、縦に(放射状に)のびる4つの路線と交差する。画像は自分が撮った武蔵野線の電車。205系、なつかしいね。

西船橋方から武蔵野線 府中本町行き電車に乗ると、南越谷で東武伊勢崎線(スカイツリーライン)、南浦和で京浜東北線(東北線)、北朝霞で東武東上線、新秋津で西武池袋線と交わっている。

この4路線で、埼玉県南の文化が違う。お芋に4本の串が刺さるように、4つの生活文化軸が走っている。

学区も違う。大宮・与野・浦和というエリアで育った自分は、たとえば部活の試合になると、まず大宮・与野・浦和のエリア予選があり、それを勝ち抜くと、東武伊勢崎線沿線や西武池袋線沿線の中学校や高校と対戦するために“ぷち遠征”する。武蔵野線を伝って。

恋愛もそう。学園祭などで知り合った女子にホレてしまったりすると、西武や東武という知らない路線の慣れない街に行き、デートに誘ったりして玉砕する。武蔵野線を伝って。

そういういつもと違う路線の「埼玉のとなり町」へ行くと、その路線それぞれにある生活文化圏を体感する。いまでも越谷や草加に仕事で行くと、高校のときに好きだった女子を思い出し、所沢に行くと、違う子の学園祭と西武バスの町並みを思い出す。まじで自分キモい。

しかも埼玉の4路線を軸とする文化圏の違いは、ほかの県にはあまりみられないほど、きれいにくっきりと違う。所沢を含む西武沿線は西武ファンが多いけど、浦和や越谷に行くと巨人ファンが多いとか。所沢は西武、浦和はレッズ、とか。

同じ県民なのに、ちょっとずつ違う。違うけどその違いに気づかないで、みんなで共存している。そんな、ちょっと微妙におもしろいのが、埼玉県。

もちろん、秩父や熊谷にも、また違う風土・文化、すてきな風景がある。いや地味ぃぃぃぃに楽しい県だ。

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