※2022年8月撮影

トップ画像は、JR四国土讃線佐川駅。駅名(地名)は濁らず「さかわ」と読みます。コンパクトな駅舎が続いたので駅舎の大きさにまず圧倒されました。

前回「土讃線は、おおまかに言うと須崎駅から西佐川駅まで北上、右カーブして東の高知方面に向かいます。」と書きましたが、実は土讃線は、襟野々駅の辺りで山塊を避けて東に位置をずらし、佐川駅の手前で左に90度カーブして西に向かっています。佐川駅は柳瀬川の支流春日川が東西に削った谷の平地にあります。

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佐川駅舎は土讃線の南側。何だか空模様が安定しません。山の天気というヤツでしょうか?

※2022年8月撮影

何よりも切妻屋根に瓦が整然と葺かれた様を美しいと思います。中央部の明かり取りの巨大な越屋根(塔?)、デザイン的にはモダンで目を引きますが、木造駅舎の調和を乱している様で個人的には少し残念に感じました。

※2022年8月撮影

駅は国道494号線から真北に50mほど入って大きな駅前広場があります。

※2022年8月撮影

駅舎の東(右)は別棟のトイレ。駅舎と違和感のない造作です。

※2022年8月撮影

1984年(昭和59年)の佐川駅舎の写真があります。屋根上の越屋根(塔)はなく、落ち着いた雰囲気の木造駅舎でした。管理人さんの許可をいただいてリンクしています。

駅出入口の上屋も瓦葺き。

※2022年8月撮影

出入口には「JR佐川駅 歴町さかわ」と書かれ、佐川領の領主で高知藩筆頭家老深尾家の紋が飾られています。

※2022年8月撮影

深尾家は、高知藩主山内家から二代目領主を養子に迎えたこともあって、土佐藩内で領地に居住し小藩主の様な別格の扱いを受けていた様です。(高知市広報

佐川駅はJR四国直営駅です。窓口、日曜日なので閉まっています。

※2022年8月撮影

待合室の奥に地元特産品が展示されています。手前の柱は天井の明かり取りを支えています。

※2022年8月撮影

見上げるとかなり凝った造作です。

※2022年8月撮影

佐川と言えばマンガ家黒鉄(くろがね)ヒロシさんのご実家司牡丹酒造が有名です。司牡丹酒造の屋号黒金屋に由来するペンネーム。というか美味しいお酒なので筆者は大好き。

※2022年8月撮影

次回に続きます。

(写真・文/住田至朗)

※駅構内などはJR四国さんの許可をいただいて撮影しています。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)、『山陽・四国920駅』宮脇俊三・原田勝正編(小学館/1993)、『停車場変遷大事典 国鉄 JR編1-2』(JTBパブリッシング/1998)他を参照しています。

※タイトルは『木造駅舎』ですが、厳密に「構造として木造建築」の駅舎ではなく、筆者が気に入った駅舎を恣意的に選んでいます。明らかに木造建築と異なる場合でも、煩雑を避けるためタイトルは【木造駅舎コレクション】で進行します。悪しからずご了承ください。

※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいています。