神奈川県藤沢市と鎌倉市を結ぶ江ノ島電鉄(以下、江ノ電)の2023年春ダイヤ改正が話題です。早朝・深夜をのぞく運転間隔が「12分間隔」から「14分間隔」となり、1時間あたりの運転本数が4~5本となります。

使いやすさを意識して「パターンダイヤ化」を推し進める事業者も多いなか、江ノ電の場合は71年ぶりにこれを崩す形となりました。同社はその理由について、コロナ禍による新しい生活スタイルや働き方の浸透などを挙げています。

コロナ禍を理由とする減便は珍しいことではありませんが、江ノ電の場合はもう1つ減便に踏み切る理由があります。

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それは腰越併用軌道区間(路面区間)の道路混雑。人と電車の近さが親しみやすさも生んでいる江ノ電ですが、路面区間の混雑が列車遅延につながることも珍しくありません。しかしながら江ノ電は全線単線で運行しているため、1列車の遅延が全列車の遅延へと波及し、定時運行に復帰するまでに時間を要します。

今回のダイヤ改正には、駅停車時分を見直し、遅延時に回復力のあるダイヤとすることで安定輸送の確保を図るという目的もあるようです。ダイヤ改正は2023年3月18日の予定です。

(写真:c6210 / PIXTA)