埼玉県川口市、青木町公園総合運動場。錆や塗装ハゲが目立ったまま保存・展示されてきた京急デハ230形(236号車)が、38年ぶりに古巣の京急電鉄に戻る。この古参電車の帰郷を記念し、京急は4月26日から5月28日の間、デハ230形への思い出写真・メッセージを募集。集まった写真やメッセージは、同車公式ホームページ内などで紹介する。

京急デハ230形デハ236号は、湘南電気鉄道デ1形として1929年に製造された電車。1930年の湘南電気鉄道開業時より活躍し、1948年に京浜急行電鉄が発足したさいにデハ230形へと改番。1978年までの48年間、京急を支えた車両といわれている。

「(同車は)当時最新の技術を取り入れ、『日本の名車』として広く知られ、現在の高速化のスタイルを確立した電車の草分け的存在。その特徴として、軽量で頑丈な車体構造、大きな窓、地下鉄と郊外の双方に適した車両、走行性に優れた軸受の採用などが挙げられる。デハ230形デハ236号は、1978年の引退後、公募により川口市立科学館の前身である、川口市児童文化センターにて保存・展示され、長い間川口市民に愛され、38年ぶりに京急電鉄へ帰郷の途につく」(京急電鉄)

この“古参の帰郷”にあわせ、川口市と京急の交流も深める。川口市立科学館では、5月21日まで開催されている特設コーナー「ありがとう京急デハ230形236号~また会う日まで~」のリーフレットを、京急線各駅(泉岳寺駅をのぞく)で配布。期間中、リーフレットを川口市立科学館に持っていくと、各日先着30名に、京急オリジナルグッズをプレゼントする。

さらに、5月28日に京急ファインテック久里浜事業所で開催される「京急ファミリー鉄道フェスタ2017」では、京急デハ230形デハ236号の引継式を実施。埼玉県川口市への“お礼メッセージ”も募集する。

写真は、デハ236号が青木町公園総合運動場に保存されていた2016年8月時点のもの(画像16点)。