JR九州819系「DENCHA」(写真:ninochan555 / PIXTA)

JR九州は鹿児島本線の赤間~久留米間(67.4キロ)で「自動列車運転支援装置」を使用した列車の走行試験を実施し、2023年度末までに営業列車での実証運転を目指すと発表しました。

試験に使用される「自動列車運転支援装置」は、2020年12月から香椎線で行われている実証試験の知見をもとに開発されたものです。操縦支援により、運転士がより一層の安全性向上と異常時対応に注力できるようになるほか、今回の走行試験をGoA2.5自動運転にもフィードバック。両技術の一層の技術向上を図ります。

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運転士がボタンを操作すると、装置は駅出発~駅停止まで列車の加減速制御を自動で行います。運転士による臨機応変な手動介入も可能ですが、駅停止制御や制限速度、停止信号に対する減速は手動介入を行った後も装置が行うということです。

地上設備の増設は不要・車上設備の簡素化も

香椎線で実証運転中の自動運転では新たに地上設備を増設する必要がありましたが、「自動運転支援装置」にDBを搭載することでそうした増設が原則不要となり、車上設備の簡素化も可能になるといいます。

DBには運転士の走行実績を保有することで、これを基にした運転パターンを作成し、理想的な運転を実現。消費電力の削減や乗り心地の向上を図ります。

試験は3月からBEC819系「DENCHA」を使用して昼間・不定期に実施し、2023年度末までに営業列車における実証運転を目指します。走行試験中の列車への乗車はできません。