沿線活性化トレインとして運行されるシーフライヤーは、通勤電車ながら一部クロスシートもある人気車両だ(記者撮影)

千葉県の北総鉄道が鎌ヶ谷、白井、印西の沿線3市の魅力をPRする「沿線活性化トレイン」が、2023年11月17日から運行を始めた。

8両編成の9100形電車(愛称名・C-Flyer〈シーフライヤー〉)の中吊り広告すべてを、3市と千葉県のポスターで埋め尽くす、いわゆる「トレインジャック電車」。2024年3月末まで、自社線のほか京成、都営地下鉄浅草、京急線を走る。

北総鉄道と千葉県、沿線3市のほか、市川、船橋、松戸の近隣3市をメンバーとする「北総線沿線地域活性化協議会」が企画した。

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東京(上野、日暮里)と成田空港を結ぶ、成田スカイアクセスの中心になる北総線は成田発着の航空旅客が利用するものの、多くは通過客で沿線に降り立つ人は少ない。北総鉄道は2022年10月に運賃を大幅値下げしたのを機に、もっと沿線を訪れてもらおうと、2022年8月~2023年2月に初めて活性化トレインを運行した。

2年目の今回は、各市が自然や食、文化などを車内ポスターでPR。千葉県は観光のほか、充実した子育て環境を発信して移住・定住の促進につなげる。

トレインジャックされた沿線活性化トレインの車内(記者撮影)

活性化トレインとして走るシーフライヤーは、1995年に住宅・都市整備公団(現・都市再生機構)9100形電車としてデビュー。現在は千葉ニュータウン鉄道が所有し、北総鉄道が自社車両として運用する。

運転開始初日に印西市の印西牧の原駅で開かれた出発式では、持永秀毅社長が「トレインジャックは、大きなPR効果を発揮するはず」とあいさつ。室谷正裕会長や印西市の板倉正直市長らとともにテープカットして、新鎌ヶ谷行き臨時の一番電車を送り出した。

テープカットする室谷会長(中央)と持永社長(右隣)(記者撮影)

また、北総鉄道は2023年11月11日に、ファン感謝イベント「ほくそう車両基地まつり」を開催。「京成グループお客さま感謝イベント2023」の一環で、印西牧の原駅東側にある印旛車両基地(印西市)を開放。親子連れ200人が車両検修作業などを見学、車内放送にも挑戦した。

記事:上里夏生

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