田中茂義土木学会会長(中央)らによるオープニングのテープカット(写真:土木学会)

優れた土木技術を社会に発信するイベント「土木コレクション」が、新宿駅西口広場イベントコーナー(JR新宿駅西口)で開かれている。今年のテーマの一つが「リニア中央新幹線」で、あす24日まで。

11月18日は「土木の日」。1879年のこの日に、技術系学会「日本工学会」が創設。土木コレクションは土木の日関連の催しとして、土木学会が主催して2008年にスタート。コロナ禍による3年のブランクを挟んで、2022年に復活した。

東京(品川)ー名古屋間最速40分、東京ー大阪間同じく67分のスピードばかりが語られるリニア中央新幹線だが、施設は「土木技術のオンパレード」(土木学会)。例えば、山梨、静岡、長野の3県を貫く南アルプストンネルは延長約25キロ、地表からトンネルまでの深さ(土かぶり)が最大で約1400メートルと、長さ、深さのいずれも国内トンネルで最大規模だ。

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コレクションのリニアゾーンは、リニアを20枚ほどのパネルと映像、模型(リニアのプラレール)で紹介。トンネルは、山岳部は吹き付けコンクリートにボルトを打ち込んで固定するNATM(ナトム)工法、都市部はモグラのようなマシンで掘り進むシールド工法で建設するが、シールドマシンの模型にトンネルの映像を組み合わせ、リアルなトンネル建設が分かる。

リニアの走行写真も交えたパネル展示(筆者撮影)

説明に当たるのは、トンネル工事所の事務長ら第一線の作業に従事する建設会社社員。「緊張を強いられる日々の中で、唯一の癒やしは食事の時間」などリアルな話が聞ける。

 記事:上里夏生

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