座席のカラーや袖仕切りを変更、開放感のあるインテリア

新造車両ではインテリアデザインもリニューアル。従来の車両との統一感を持たせながらも、新造であることをアピールし、斬新かつ開放感を感じられるようになりました。座席の色はラインカラーのエメラルドグリーンとなり、柄サイズも変更されています。

新造車両の内装、座席の色はエメラルドグリーンに変更され、袖仕切りも木目とガラスを採用したものとなっています
既存車両の内装はこちら。袖仕切りの違いは鉄道ファン以外はあまり注目しない部分ですが、座席の色だけですぐ新造車両かどうかは判断がつきます
新造車両のフリースペース。車いすやベビーカーの利用者ほか、大きな手荷物をお持ちの方にも快適に利用できるようにしています

またこの編成のみの特徴にはなりますが、新造車両の車内銘板のデザインがちょっと変わっています。車両を製造した川崎車両は2021年10月に川崎重工業から分社独立しており、南北線9000系の新造車両は同社としての搬出車両第一号ということで、銘板デザインを特別なものにしたとのことです。

川崎車両の銘板デザイン、懐かしさを感じる方もおられるのではないでしょうか

2年前に製造された車両をこの時期に導入した理由は?今後の8両化の方針は?

上記の銘板からも分かるように、実は今回お披露目された増結用の中間車は2年前に製造されたものです。

東京メトロ車両部設計課の渡部智也課長補佐によりますと、9000系の8両化は2~4次車の大規模改修とまとめて行う計画でしたが、大規模改修を行う車両工場の調整の都合で着工が遅れ、このタイミングでの導入となったということです。

南北線の9000系は全部で23編成(138両)ですが、全編成の8両化についてはまだ計画が定まっていません。現時点で8両化が決まっているのは2~4次車の13編成のみで、今後は利用者の動向を見ながら計画を決めていくことになるそうです。

南北線ではすでに直通先の車両が8両編成で運行を開始していますが、東京メトロの車両もいよいよ8両化。ぱっと見ではなかなか気づかないかもしれませんが、車内に一歩踏み込むと「いつもと違う!」という斬新な驚きが待っていることでしょう。

取材を受ける東京メトロ車両部設計課 渡部智也課長補佐

記事:一橋正浩

【関連リンク】