小田急からの”おさがり電車”がグッドデザイン賞に! 西武鉄道のサステナ車両8000系、若手社員発案のデザイン・環境負荷低減の取り組みとは?
西武鉄道は、同社の「サステナ車両(8000系)」が2025年度のグッドデザイン賞を受賞したことを公表しました。この受賞は、特急車両001系(Laview)以来6年ぶりとなります。
今回は、小田急電鉄から譲り受けた車両をリニューアルしたというユニークな背景を持つ車両が、そのデザイン性や環境への配慮、企業間の連携といった多面的な価値を高く評価されての受賞となりました。
まさかの受賞!おさがり電車がグッドデザイン賞に輝く
西武鉄道が2025年5月31日(土)から運行を開始した「サステナ車両(8000系)」が、このたびグッドデザイン賞を受賞しました。グッドデザイン賞は、日本デザイン振興会が主催する日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。西武鉄道での受賞は、2019年度に金賞を受賞した特急車両「001系(Laview)」以来6年ぶりとなり、再びそのデザイン性が高く評価された形です。
【参考】西武鉄道「サステナ車両」公開 5月末から国分寺線で走り始める元・小田急のニューフェイス
https://tetsudo-ch.com/12999489.html
デザインのヒミツは若手社員の熱意!?「永遠」を願う市松模様
今回の受賞において、審査員から高く評価されたポイントの一つが、その特徴的なデザインです。車両の前面や側面に施された市松模様のグラフィックは、西武鉄道のコーポレートカラーを基にしており、「永遠」「発展」「繁栄」といった意味が込められています。驚くべきことに、このデザインは車両整備を担当する若手社員からの公募案が採用されたものであり、この車両にかける現場の意気込みが感じられる点も評価されました。
エコだけじゃない!鉄道会社の垣根を越えたアツい友情物語
この車両は、もともと小田急電鉄で活躍していた車両を譲り受けたものです。新規に車両を製造する場合と比較して環境負荷を大幅に低減している点が、高く評価されました。さらに、これまで相互乗り入れがなく交流が限られていた西武鉄道と小田急電鉄が、車両整備のノウハウ伝授などを通じて結びつきを強めたことも特筆すべき点です。企業グループの枠を超えた連携が、今後の新しい流れを創出する取り組みとして評価されました。
「サステナ車両(8000系)」について
「サステナ車両」とは、西武鉄道が他社から譲り受けたVVVFインバータ制御車両の独自の呼称。同社は2030年度までに全車両のVVVF化100%達成を目指しており、省エネルギー化を加速させるため、新造車両の導入と並行してサステナ車両の導入を進めています。
今回受賞した8000系は、2024年5月に小田急電鉄から譲り受け、整備を経て2025年5月から営業運転を開始したもの。西武鉄道は、持続可能な社会の実現に貢献するため、今後も環境に優しい車両の運行と地域に愛されるデザインの創出に努めていくとしています。
西武鉄道の「サステナ車両(8000系)」がグッドデザイン賞を受賞したニュースをお届けしました。環境負荷の低減という現代的なテーマに加え、若手社員のアイデアが生かされたデザイン、そして企業間の連携という心温まるストーリーが評価された今回の受賞。街でこの市松模様の車両を見かけたら、その背景にある物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
(画像:西武鉄道)
鉄道チャンネル編集部
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