南海の新観光列車「GRAN 天空」2025年度末に降臨!高野山への旅が上質な体験に進化、天空の城から深紅の宮殿へ(大阪-和歌山)
南海電気鉄道が、2025年度末に運行開始を予定している新観光列車の名称を「GRAN 天空(グラン テンクウ)」に決定したことを発表しました。社内公募と利用者による投票を経て選ばれたこの名は、現在運行中の「天空」の思いを引き継ぎつつ、より上質な旅を提供するという意思の表れです。合わせて公開された深紅の車体デザインは、高野山へと向かう旅への期待を一層高めてくれます。
857件の社内公募と5,498票の民意!新名称は「GRAN 天空」に決定
南海電鉄が2025年度末に導入する新しい観光列車の名称が、ついに「GRAN 天空」に決定しました。この名称は、2025年6月に行われた社内公募で寄せられた857件のアイデアの中から候補が絞られ、その後8月に行われた利用者投票で5,498票を集めて選ばれました。「落ち着いた空間と心を込めたおもてなしで、誰もが心穏やかな時間を過ごすことができる旅をお客さまにお届けしたい」という思いが込められています。
【参考】「天空」に代わる新観光列車は2025年度末に運行開始 名称は3案から一般投票で決定!(2025年8月8日 掲載)
https://tetsudo-ch.com/13008478.html
まるで走る神殿!?高野山の自然に映える深紅と黄金の車体
「GRAN 天空」の外観は、落ち着きのある深紅をベースカラーに、ゴールドを基調とした装飾が施されています。このデザインは、高野路の緑豊かな自然に調和し、風景に映えることを意図しています。各車両の側面には、南海電鉄の社章「羽車マーク」から着想を得た、優美に羽根を広げるようなデザインが描かれ、旅の可能性を広げてほしいという願いが込められています。また、高野山に咲くシャクナゲなど、沿線ゆかりの植物をモチーフにした装飾も随所に施され、地域とのつながりが表現されています。


難波駅から直通!旅の始まりは伝説の「0番のりば」から
新しい「GRAN 天空」は、これまで「天空」が運行していた橋本駅~極楽橋駅間だけでなく、難波駅(大阪府)~極楽橋駅(和歌山県)まで直通で結びます。これにより、乗り換えなしで高野山の麓まで快適な列車の旅が楽しめるようになります。この運行開始に合わせ、難波駅1番線の降車専用ホームは「GRAN 天空」専用の「0番のりば(仮称)」として美装化される計画です。高野山の山並みをイメージした曲線的なデザインや照明演出で、旅の始まりを上質に演出する空間が創出されます。
勇退する現役「天空」の今後は?
新しい「GRAN 天空」の登場に伴い、2009年から約43万人が乗車した現行の観光列車「天空」は、2026年3月20日をもって定期運行を終了。しかし、完全に引退するわけではなく、定期運行終了後はツアー貸し切りなど、団体の利用者専用列車として、当面の間は不定期で運行が続けられる予定です。
【参考】南海の観光列車「天空」、2026年3月に定期運行を終了(2025年9月24日 掲載)
https://tetsudo-ch.com/13012080.html
「GRAN 天空」概要
南海電鉄の新観光列車「GRAN 天空」は、2000系車両を改造した4両編成で、2025年度末に運行開始予定です。
運行区間は難波駅(大阪府)~極楽橋駅(和歌山県)間で、アテンダントによるきめ細やかなサービスや、地元の食材を活かした食事の提供なども計画されており、列車の旅そのものが特別な体験となることを目指しています。運行情報や車両・サービスに関する詳細は、2025年11月6日(木)にオープンする特設サイトで順次案内される予定です。
社内公募と一般投票という多くの人々の思いを乗せて走り出す、南海電鉄の新観光列車「GRAN 天空」。上質なおもてなしと美しい車窓風景で、高野山への旅を特別なものにしてくれることでしょう。2025年度末のデビューが今から待ち遠しいですね。
(画像:南海電鉄)
鉄道チャンネル編集部
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