近鉄が新型レール削正車「きずな」9月導入 「ミリング式」採用でメンテナンス作業を効率化!安全性や乗り心地の向上に貢献するだけでなく、全線区で活躍するための仕組みも

近畿日本鉄道は28日、新型レール削正車「きずな」を2026年9月より導入すると発表しました。「ミリング式」を採用した車両で、レール折損リスクの減少による列車運行の安全性向上、振動の低減による乗り心地向上、レール交換頻度を抑制する省メンテナンス化への期待がかかります。
現行方式と「ミリング式」のハイブリッド
レールと車輪の接触で蓄積する金属疲労や傷を放置すると、最終的にレール折損に繋がる可能性があります。これを未然に防ぐレール削正作業は、鉄道の安全運行に不可欠なミッションです。
現行のグラインディング式(砥石による研削)に加え、「きずな」はカッター刃でレール表面を切削する「ミリング式」を新たに採用。カッターで切削したのち、仕上げとしてグラインディング式も併用します。この方式により、1回あたりの施工距離が現行の約2倍へと大幅に延伸され、作業効率の向上が見込まれています。

火花ゼロで省力化!全線をカバーする「改軌」ギミック
作業時に火花がほとんど発生しない点もミリング式ならではの特徴。これにより対応作業員が不要となり、作業の省力化も可能です。さらに、発生した切りくずは専用コンテナに集積され全量リサイクルされる環境配慮設計。
そして車両・メカ好きの心をくすぐる最大のポイントが、輪軸の交換による「改軌」機能の搭載です。軌間の異なる路線が混在する近鉄の路線網において、このギミックにより全線区での作業が可能となっています。

重厚なスペックと名前に込められた思い
「きずな」のベースとなる車両は、全長17.0m、総重量約60tに及ぶドイツ・ローベル社製の「ROMILL600」。ミリング装置はシュベアバウ・インターナショナル社、仕上がり検測装置はフォーゲル&プレッチャー社が手掛けており、欧州メーカーの技術が結集した重厚な仕様。
社内公募で決定した「きずな」という名称には、「レールの傷(きず)を無(な)くす」という機能的な意味合いと、現場係員の「絆」という熱い思いが込められています。
近鉄は今後、既存の削正車(グラインディング式)と「きずな」を併用し、削正作業の頻度と作業量を増加。レール折損リスクの減少による安全性のさらなる向上を図るといいます。「きずな」車両は今年5月28日には京都線の宮津基地へ到着しており、整備を経たのち9月頃からいよいよ本線での活躍が始まります。
(画像:近畿日本鉄道)
鉄道チャンネル編集部
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