リニア中央新幹線の新たな停車駅として長野県飯田市に誕生する「長野県駅(仮称)」について、駅舎の外観デザイン候補となる3案が明らかになりました。地元自治体からの要望により、駅周辺やガラス張りの駅舎から最新のリニア車両を視認できる工夫も盛り込まれており、鉄道ファンや観光客にとっても見逃せない新たな名所となる可能性を秘めています地元住民らを対象としたアンケート等を経て、2027年3月下旬をめどにひとつの推薦案に絞り込まれる予定となっており、将来の信州旅行へのアクセス拠点として大きな注目を集めています。本記事では、信州・伊那谷の風景を色濃く反映したJR東海が公表したデザイン3案の全貌や、地元が求める新駅の姿、そして最終決定までのプロセスについて詳しく解説します。

リニア長野県駅(仮称)のデザイン背景

キーワードは「信州・伊那谷の風景と営み」

キーワード「信州・伊那谷の風景と営み」イメージ

今回提示された外観デザイン案は、長野県と飯田市が5月28日に提出した要望事項をもとに作成されたもの。その基盤となっているのが「信州・伊那谷の風景と営み」というキーワードです。
天竜川や河岸段丘、連なる山々が作り出す壮大な風景。そして、水引や和紙、精密機械産業など、地域が育んできた産業や文化の繊細な営み。これらをつなぐ「結い」を象徴的なイメージとして、地域の多様な魅力を抽象的かつ端的に表現したモチーフがJR東海へ託されていました。

駅周辺からリニア車両が見える?地元からの外観要望事項

デザイン案の作成にあたり、長野県の南の玄関口にふさわしい佇まいとなるよう、具体的な要望が提示されていました。前述の駅前広場の整備コンセプトや地元の要望事項を踏まえ、地元と連携して外観デザインの検討に取り組むことが求められています。
さらに、駅舎とリニア高架橋との接続部が自然に馴染むデザインであることも重要なポイント。駅周辺からリニア車両を視認でき、同時に車窓からも伊那谷の風景を楽しめるよう、ガラス等の素材を活用する工夫も盛り込まれました。外から最新車両を眺める体験は、鉄道ファンにとっても見逃せない要素ではないでしょうか。

公表された3案のデザインをチェック!

A案:信州・伊那谷の風景に流れるひとすじの帯

A案南側イメージ

伊那谷の山並み、河岸段丘、天竜川といった雄大な自然の風景が水平方向に流れる様子を「帯」として表現。リニア中央新幹線の疾走感を思わせ、水平ラインが中央部で山なりになるデザインがアルプスの山並みと「結い」を象徴しています。

A案北側イメージ

B案:信州・伊那谷に包まれた「玄関口」

B案南側イメージ

左右の壁面で中央アルプスや南アルプス・伊那山地の山並みを表現。駅舎の中央部は天竜川を中心に各地を結ぶ結節点ととらえ、この地に人々が集まってくる様子をイメージしています。

B案南側イメージ

C案:信州・伊那谷の風景にゆらめく「自然のうつろい」

C案南側イメージ

多面的につなぎ合わせた外壁への光が季節や時間、天候の変化により表情を変えるイメージ。外壁色は淡い山吹色などで。朝や夕のうつろいをより感じられるようにデザインします。

C案北側イメージ

長野県駅(仮称)外観デザインのこれから

意見聴取やアンケートを経て一つの推薦案を選定へ

3つのデザイン案が示されたことで、いよいよ具体的な駅の姿が見えてきました。今回のデザイン検討対象となっているのは、駅前広場に面した駅舎の北側および南側の外装部分。今後は地元南信州地域(飯田・下伊那地域)に在住、および通勤・通学する人へアンケートを実施。有識者からの意見も踏まえ、長野県と飯田市は2027年3月下旬をめどに、提示された複数の案からひとつの推薦案に絞る予定です。

リニアの疾走感と、伊那谷の豊かな自然が交差する「長野県駅(仮称)」。圧倒的なスピードで都市と結ばれる新たな玄関口の誕生により、私たちの信州への旅路はさらに魅力的なものになりそうです。最終的にどのデザインが選ばれ、どんな新しい景色を見せてくれるのか、今後の発表を楽しみに待ちましょう。

(画像:長野県(JR東海「長野県駅(仮称)駅舎外観デザインアプローチノート」・イメージパースから抜粋)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)