インドネシア・ジャカルタ観光の足として欠かせない「ジャカルタMRT(都市高速鉄道)」。2029年の完成を目指す延伸プロジェクト「フェーズ2A」向け新造車両において、日本の東洋電機製造が電機品を一括受注しました。日本車両製造や住友商事とともに挑む本プロジェクト。現地の深刻な交通渋滞緩和に向けた取り組みと、日本の鉄道メーカーが果たす役割について解説します。

延伸区間を走る新造車両48両の心臓部を担う

MRTジャカルタ南北線路線図(画像:住友商事)

ジャカルタMRTは経済成長にともない深刻化する交通渋滞を解消し、大気汚染を軽減するため、日本の支援(円借款)によって整備し、2019年3月に第1期区間を開業しました。インドネシア初の地下鉄として運転しています。
今回対象となる「フェーズ2A」は、現在の北端である市中心部のブンダランHIからジャカルタ北部の人気観光エリア・コタ駅までを延伸するプロジェクトで、2029年の完成を目指しています。

【参考】ジャカルタMRTの運営維持管理サービス受注 日本コンサルタンツ(※2020年12月掲載) https://tetsudo-ch.com/10962225.html

日本車両製造と住友商事は、2025年10月にこのフェーズ2A向け新造車両48両(6両編成×8本)を約170億円で受注していました。そして今回、東洋電機製造がその車両に搭載される重要な電機品一式を日本車両製造から受注しました。

納入される主要機器

納入するのは、車両の「走る・止まる」を制御する推進制御装置をはじめ、主電動機、歯車装置、TD継手、集電装置、主幹制御器、列車情報装置といった基幹部品の数々です。

実績が導いた連続受注

東洋電機製造は、すでに開業済みのMRTフェーズ1向け車両(96両)や、首都圏通勤電車(KRL)向け車両(192両)へ納入実績があります。海外の鉄道プロジェクトにおいて、フェーズ1で導入されたシステムが高く評価され、そのままフェーズ2でも同一メーカーの機器が継続採用されることは、保守メンテナンスの共通化や安定稼働の観点から大きな意義を持ちます。

注目は「TD継手」

納入機器リストにある「TD継手」(たわみ板継手)は東洋電機製造が誇る代表的な駆動装置部品であり、日本の多くの通勤電車でもおなじみの技術です。ジャカルタの地下を日本の技術の結晶が力強く走る姿は、現地の利用者のみならず、日本の鉄道ファンにとっても誇らしいニュースと言えます。

2029年にフェーズ2Aが開業すれば、ジャカルタの歴史的な旧市街「コタ地区」への観光アクセスが格段に向上します。熱気あふれる異国の地で、渋滞知らずの涼しく快適なMRTに揺られる体験は、旅の質を大きく変えてくれるはずです。 次にジャカルタを訪れる際は、足回りの「音」や乗り心地から、東洋電機製造や日本車両製造の優れた技術力を直接感じてみてはいかがでしょうか。

(TOP画像:東洋電機製造)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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