Bリーグ・愛媛オレンジバイキングス(愛媛OV)の新アリーナ構想に大きな動きがありました。オーナーであるサイボウズの青野慶久社長が、伊予市「ウェルピア伊予」のサウンディング型市場調査に参加する意向を表明。これまで有力視されていたJR松山駅周辺から伊予市へ候補地が拡大したことで、実現すればJR予讃線や伊予鉄道郡中線の輸送網に影響を与えそうです。今回は調査の概要と、アリーナ誘致がもたらす交通アクセスの変化を紐解きます。

【参考】JR松山駅周辺が大進化!路面電車の駅舎引き込み・上空にホテルや商業施設・バスタ整備・アリーナ誕生の “まちづくりプラン”と新幹線への期待(※2026年3月掲載) https://tetsudo-ch.com/13025499.html

愛媛OVの新アリーナ構想、伊予市「ウェルピア伊予」が急浮上!

築45年超の施設再生と、Bプレミアに向けた5000人規模アリーナ

ウェルピア伊予の利用人数推移(イメージ)

伊予市は2026年7月10日、市内の複合施設「ウェルピア伊予」の今後のあり方について、民間事業者から広くアイデアを募る「サウンディング型市場調査」を実施すると発表しました。スポーツや宿泊施設を備える同施設は建築から約45年が経過し、老朽化が課題に。利用人数も近年は減少傾向にあり、新たな価値創出が急務となっています。

そんな中、Bリーグプレミア入りを目指す愛媛OVのオーナー、サイボウズの青野慶久社長が調査への参加意向を示しました。Bプレミア参入には「5000席以上のアリーナ」が必須です。これまでJR松山駅周辺の再開発エリアが有力でしたが、広大な敷地面積を確保できる伊予市が新たな選択肢として急浮上しました。

ウェルピア伊予「サウンディング型市場調査」の概要

市民アンケートに見る「存続と財政」のジレンマと今後のスケジュール

市⺠アンケート結果(今後の施設のあり方)イメージ

今回伊予市が実施する市場調査では、土地利用のアイデアや事業手法について提案を求めています。参加申込書の提出期限は2026年7月31日(金)、調査票の提出は8月28日(金)までとなっており、9月下旬には結果概要が公表される予定です。

伊予市が令和8年3月に実施した市民アンケートでは、「一部施設は残す」「最小限の改修」を望む声が多く、市民の愛着と財政負担への懸念が入り混じっています。スポーツや防災機能を維持しつつ民間活力を導入するアイデアとして、アリーナ構想がどう評価されるのか注目されます。

伊予市へのアリーナ誘致がもたらす鉄道網へのインパクト

松山中心部からのシームレスな移動網拡充と広域防災拠点化

周辺施設立地状況図(1㎞圏域)イメージ

鉄道・交通の視点から見ると、ウェルピア伊予へのアリーナ建設は興味深いものになります。同施設周辺は現状、コミュニティバスが接続する程度ですが、5000人規模のアリーナが誕生すれば、試合日には県内外から多くのブースターが押し寄せます。

ウェルピア伊予の周辺には、伊予鉄道郡中線の新川駅や郡中駅、JR予讃線の鳥ノ木駅があります。松山市内からのアクセスなら「松山市駅⇒新川駅・郡中駅」、県外からの遠征組なら「JR松山駅⇒鳥ノ木駅」や特急停車駅の「伊予市駅」を活用するルートが想定されます。現状のダイヤでは輸送力に限界があるため、臨時列車の増発や、駅からアリーナへのシャトルバス(新川駅⇒ウェルピア伊予、伊予市駅⇒ウェルピア伊予など)の運行が整備されれば、鉄道利用につながりそうです。

広域防災拠点位置図(イメージ)

さらに、伊予市は同地域を「広域防災拠点」や「都市機能誘導区域」に位置づけています。アリーナが災害時の防災拠点としての機能も併せ持てば、緊急輸送道路やアクセス網の強化は必須です。アリーナ構想を契機に伊予市周辺のインフラがどうアップデートされるのか、鉄道ファンとしても期待が高まります。

愛媛オレンジバイキングスの飛躍と、伊予市の地域活性化。この二つのピースが「ウェルピア伊予」でピタリとハマれば、四国のスポーツエンターテインメントと鉄道網の連携にも期待がかかります。今後の市場調査の結果に注目しましょう。

(画像:伊予市のwebサイトより、TOP写真:animangel / PIXTA)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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