川崎汽船1 カイロ向け鉄道車両輸送見学会を開催 High & Heavy 貨物輸送現場をメディア初公開



神戸港の六甲アイランド L1/L2 岸壁で6月13日、三菱商事が主契約者となり近畿車輛が製造を手がける、エジプト運輸省トンネル公団(NAT)カイロ地下鉄4号線(第一期:19km・16駅)向けの鉄道車両の積み込み現場が公開された。
今回、自動車専用船に船積みされた車両は、全184両のうちの16両。
車両は今後、アジア各港にて貨物を積載後、喜望峰、ジブラルタル海峡を経る海路で、約2か月弱をかけてエジプトのアレクサンドリア港へと運ばれる。
この海上輸送を担うのが、国内28・海外256の広大な拠点ネットワークを構成し、海上運送をはじめ陸上・航空など多彩な総合物流事業を手がける川崎汽船(本社:東京都千代田区、本店:兵庫県神戸市)。
川崎汽船(“K” Line)は、同プロジェクトにおける鉄道車両の海上輸送を受注し、すでに今年3月12日には神戸港から初荷となる8両をアレクサンドリア港へ送り届けており、今回はそれに続く2回目の車両輸送となる。
今回の輸送でも、同社が保有する自動車専用船の強みを活かした「High & Heavy(ハイ&ヘビー)貨物輸送」が採用された。日本の高い技術力が詰まった鉄道車両を、自動車専用船を活用して世界中の主要港湾へ「安全・確実」に輸送する選択肢として、今世界中から大きな注目を集めている。
川崎汽船自動車専用船「OCEANUS HIGHWAY」




今回の輸送を担うのが、川崎汽船の主力船のひとつ、「OCEANUS HIGHWAY(オーケアノス・ハイウェイ)」。
本船は環境負荷低減に配慮し、液化天然ガス(LNG)を主燃料とする 6,900台積みの次世代型自動車専用船として、新来島豊橋造船で建造され、2025年2月に竣工したばかりの最新鋭船である。
このオーケアノス・ハイウェイという船名は、当時の荷主であったマツダの(当時常務執行役員・現在は経営役員CSCO)鷲見和彦氏により、ギリシャ神話に登場する海の神の名を冠して命名された。
全長199.95m、幅38.00m、総トン数75,259トンという圧倒的なスケールを誇り、持続可能な海上輸送を実現する同社の象徴的な一隻だ。
High & Heavy貨物のハンドリング技術



今回の鉄道車両輸送において最大のポイントとなるのが、川崎汽船が誇る高度な High & Heavy(ハイ&ヘビー)貨物のハンドリング技術。
岸壁から巨大な船内へと車両を運び込むため、今回の荷役では「タグマスター」と「ロールトレイラー(通称:MAFI/マフィ)」と呼ばれる荷役機器が投入された。
鉄道車両はあらかじめこのロールトレイラーの上に工場出荷時の姿のまま水平に固縛され、牽引車であるタグマスターと連結して、船尾の大きな開口部から推進する形で、スムーズに船内へと搬入される。
船内に運び込まれた後、海上輸送中の激しい揺れや傾きから精密な鉄道車両を守るため、厳重な「ラッシング作業(固定作業)」が施される。
車両と船体の固定には高強度の固定チェーンやベルトが使用され、荷役のプロフェッショナルたちの手によって一車両ずつ強固に固縛。
これにより、約数か月に及ぶ長い航海であっても、安全かつ確実に目的地へと輸送できる体制が整えられる。
「日本の産業を支え、海上輸送の安全を守る」


川崎汽船は、自動車船事業の成長戦略における重要な施策のひとつとして、同社がネットワークする幅広い航路網と高度な海技力・輸送能力により「High & Heavy貨物輸送事業」を拡大し、貨物ポートフォリオを最適化する戦略を掲げている。
川崎汽船 山田直輝 自動車船営業グループ長は、High & Heavy(ハイ&ヘビー)貨物輸送の可能性と期待について、こう語った。
「本船は非常に大きな開口部を持ち、ランプウェイの耐荷重量も高いため、今回積載している鉄道車両などの大型貨物にも万全に対応しています。
この本船を使って輸送する最大の利点は、工場出荷時の荷姿のまま、海外へその品質を届けることができるという点です。
日本の産業が誇る高い技術力を結集して製造された鉄道車両をはじめ、大型・重量貨物など多様な海上輸送ニーズに対して、今後も全力でお応えしていきます。
日本の産業をしっかりと支え、継続して対応していくことで、海上輸送の安全を守っていきたいと考えています」(川崎汽船 山田直輝 自動車船営業グループ長)


画像提供:川崎汽船
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