すごく単純に、佇まいの好きな駅です。終端駅の静けさに満たされていて。駅舎は鉄筋コンクリート造なのですが、すっかり木で覆われていて端正な木造の雰囲気です。

仙崎支線終端の先200mほどで海になるのに山が見えます。仙崎湾を挟んだ隣の岬にある小島山でしょうか。

夕陽がさしています。ホームの屋根の脇にも丁寧に木材が貼ってあります。元々は旧国鉄の美禰線貨物支線として1930年(昭和5年)に開業した駅で、山陰本線の全通にともない1933年(昭和8年)山陰本線支線に編入されました。

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駅名標の後ろに描かれた絵が良いなぁ。

作品を知らないので申し訳ないのですが、この地は童謡詩人金子みすゞさんの故郷で、かつては駅舎内に「みすゞ館」という資料展示館があったそうです。現在は駅から数分の場所に「金子みすゞ記念館」があります。

終端駅の魅力、終端部。仙崎駅は大げさな車止めも無くとても簡素です。

キハ120で長門市に戻ります。仙崎は独りでひっそりと深呼吸をしに行きたくなる駅でした。

(写真・記事/住田至朗)撮影2014年12月