※画像はウィキペディアより

ブルーリボン賞は九州旅客鉄道 BEC819系

JR九州は老朽化する気動車の置き換えと同時に電化区間に隣接する比較的距離の短い非電化区間の気動車の置き換えを目的に次世代型電車BEC819系交流架線式蓄電池電車を開発しました。電化区間では交流電車として架線からパンタグラフを通じて電気を取り入れ走行します。非電化区間では車両に搭載した蓄電池からの電気で走行します。非電化区間に入る前に架線からパンタグラフを通じて蓄電池に急速充電することで充電時間を短縮化しています。車体はJR九州817系2000番台をベースにしたアルミニウム合金製の2両編成で片側3扉のロングシート構造です。現在は筑豊本線(若松線)の非電化区間と電化区間の一部で運用されています。気動車から電車システムに置き換わることにより、エンジンの騒音・振動・排気ガスがなくなり、 動力費およびメンテナンス費用の削減、回生ブレーキによる電気エネルギーの再利用等、環境負荷の 低減に大きく寄与し、電車になることで沿線イメージ向上などの効果も期待されます。これらの特徴を高く評価し、ブルーリボン賞に選定されました。

ローレル賞 東日本旅客鉄道 E235系

現在のJR東日本主力首都圏通勤型車両のE231・E233系(2007年ローレル賞受賞)に新たな技術開発成果を取り入れ新規に開発された通勤型車両です。E233系同様の軽量ステンレス構体ですが雨どいが外側に出ない車体断面と腰部から上に垂直に立ち上がる構造に変更されています。戸閉装置も従来の電気式戸閉装置と異なり常時お互いの扉が押し付けあう構造で機械的なロックをかけないので挟まれた物を引き抜き易い特徴をもっています。車内には紙媒体に代わるデジタル・サイネージとして1両当たりの表示器は最大36面になります。フリースペースが各車両に設けられベビーカーや車いす利用者の利便性が向上しています。E235系はJR東日本の新たな標準車両として首都圏の快適な輸送サービスの担い手として高く評価されたことでローレル賞の選定となりました。

ローレル賞 えちごトキめき鉄道 ET122系1000番代

ET122系1000番代『えちごトキめきリゾート 雪月花』は2015年に開業した「えちごトキめき鉄道」において観光集客力向上を目指して2016年4月に導入されました。日本海ひすいラインで運行されているET122系気動車をベースとした2両編成の観光用車両です。新たに設計された車体は鮮やかな銀朱色の塗装で側窓は国内最大級の解放面積を誇ります。1号車(ET122-1001)は日本海と妙高山に向けて座席が配されたラウンジ形式で国産木材がふんだんに使われ、先頭部の拝デッキ部分は展望室としてフリースペースになっています。2号車(ET122-1002)はレストランスタイルの座席配置で沿線の食材を用いた食事が提供されます。こちらの先頭部ハイデッキ部分は特別料金の個室です。車輌の設計・製造には地元新潟産の素材を積極的に採用している上に車両そのものが新潟県内で製造されています。日本海や妙高山などの沿線の観光資源を最大限取り込むべく、高いレベル の開発コンセプトを具現化した車両となっており、同社沿線の観光振興に大きく寄与しています。こ れらの点を高く評価し、ローレル賞に選定されました。

ローレル賞 静岡鉄道 A3000形

静岡鉄道が既存の1000形置き換えのために43年ぶりに導入した新形式の通勤型車両で2023年までに全12編成24両が導入される計画です。18m級の3扉車で2両固定編成。車体は軽量ステンレス製で先頭部はFRP製で直線と曲線の組み合わされた都会的なデザインです。導入される12編成のうち7編成は静岡をテーマにした7色でラッピングされる予定です。A3000 形は、現在の鉄道車両において確立・熟成された高い信頼性を持つ技術をバランスよく選択し、 併せて同社の路線規模・運行形態・保守性などとのマッチングを十二分に考慮し、コンパクト且つオ ーソドックスにまとめられた車両となっています。これらの点を高く評価し、ローレル賞に選定されました。

※画像は鉄道友の会リリースより