ドシューッと怖いほどに勢いよく開閉するドア、しょうゆの一斗缶を想わせるアルミ合金ボディ、チョッパ制御の独特な唸り……。1968(昭和43)年からつくられた千代田線の営団地下鉄車両、6000系。

「量産車両としてアルミ車体と回生ブレーキ付サイリスタチョッパ制御装置を世界で初めて採用した画期的な車両で、省エネルギー車両としての先駆けの車両」と東京メトロが紹介するこの6000系も、現役で活躍するのは、3本を残すのみに。

「車両デザインは、次世代を担う車両にふさわしい既成概念にとらわれない自由な発想により検討。特に前面デザインは非対称とし、正面貫通扉に非常用ステップ機能を持たせるなど斬新な発想を持つ車両に。20年以上経過しても陳腐化しないこと、可能な限り軽量化することなどを考慮」(東京メトロ)

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そんな個性的でキラッと光るものをいまも持ち続けて走るこの形式。東京メトロは、こう教えてくれました。

「現在活躍する千代田線6000系は、6122編成、6130編成、6102編成の3本です。いずれの編成も、JR線の乗り入れは可能ですが、小田急線への乗り入れはできません」

千代田線のニューカマー、16000系の台頭で姿を消しつつある6000系。ヘアライン仕上げのような、しっとりとしたシルバーの16000系と違い、ギラギラで凹凸感がある一斗缶のような6000系が、都心を駆け抜ける姿もあとわずか。