四角い鉄橋と丸いドーム、リトル沖縄の最寄り駅
四角い枠にX字の斜材がつくダブルワーレントラス鉄橋を行く大阪環状線電車。ゴドンゴドン、ゴドンゴドン。
木津川と尻無川にはさまれた大正駅。川の匂いと、てぃんさぐぬ花。
大阪の大正区は、住民の4人に1人が沖縄出身といわれる。駅の発車音も、てぃんさぐぬ花。
貨物線を旅客化し、大阪環状線の電車が走り始めたころにできた大正駅のまわりには、沖縄料理屋がいっぱい。
戦後不況に苦しんだウチナンチューは、紡績業が集結していたここ大正区へ、出稼ぎに。
しだいに沖縄県人コミュニティが形成され、大阪のリトル沖縄とまでいわれるようになった。
長屋の路地裏、地下を行く電車
木津川へむかう途中、駅のすぐわきには、串カツ屋と同じぐらい沖縄居酒屋がある。
駅前の路地裏は、下町をおもわせる長屋が連なる。
千日前通りの大正橋へと出ると、下町の雰囲気から一変、現代的な巨大コロシアムが目に飛び込んでくる。京セラドーム大阪。
大正橋交差点でドームを見上げて、地下を行くOsaka Metro 長堀鶴見緑地線、阪神なんば線をイメージする。
ワーレントラスのむこうに臨港線の跡
千日前通りの大正橋から、木津川のおだやかな流れをながめる。大阪環状線の電車がゴドンゴドンとダブルワーレントラスを行く。
大正駅の東側のダブルワーレントラスは、白色の木津川橋梁。これと同じ形をした橋が、西側にもある。緑色の岩崎運河橋梁。
時計回りに走る大阪環状線電車は、大正駅を出ると、岩崎運河橋梁、尻無川橋梁と越え、しだいに坂道をのぼり、高架橋を行く。
この高架橋の下を、分岐した線路がクロスし港へとむかっていた。2006年まで存在した大阪臨港線。
大正駅の西で分岐した大阪臨港線の線路は、大阪港まで続く。三十間堀川には、いまも朽ちた橋梁が残っている。
DD51が引く貨物列車を想像しながら大正橋商店街へと戻る。沖縄めしで一杯やるか、新今宮で串カツするか、どっちにするか。