【私鉄に乗ろう 60】長崎電気軌道 その9
中島川の東側に西浜町停留場。賑橋から0.4km。西浜町停留場は1号・4号系統正覚寺下方面への分岐を挟んで二箇所あります。5号系統石橋行の停車する通称アーケード入口側は、後から開設されたものとのこと。
写真では分かり難いかもしれません、前を行く4号系統正覚寺下行は分岐を左に曲がります。
5号系統は直進してもう一つの西浜町停留場にも停車します。約100m程の距離ですがこの区間に乗車した場合も運賃は必要です。前を行く1号系統赤迫行は正覚寺下方面から分岐を入ってきました。ここから次の築町は1号系統で正覚寺下から長崎駅前まで乗った「その6」と重複します。
この辺りは、運行頻度の高い1号系統が通っていて電車が入り乱れている印象。前を行く長崎電気軌道1300形1304、1200形同様車体のみアルナ工機で新造。台車は1963年(昭和38年)製のもので1985年(昭和60年)に西鉄九州線の部分廃止によって余剰廃車となった300形からの流用品。1987〜89年(昭和62〜64年)に5両が作られました。
すれ違う1700形1701も「その3」で書いていますが、同様に車体部分のみを新造した機器更新車両です。
長年長崎電気軌道が運賃を上げずに頑張ってこれたのは、この様なコストダウン新造車両を多く使用してきたからだと言えます。
最新の長崎電気軌道5000形5002。2011〜12年(平成23〜24年)に1両ずつ導入され2両が運行しています。3車体2台車という珍しい車両。残念ながら、今回はこの車両に乗ることはできませんでした。
0.2kmで築町停留場。
築町の先で前を行く1号系統は右に分岐して出島〜長崎駅前方面に向かいます。
大きく左にカーブした先に市民病院前停留場が見えます。前面展望は無理ですね。築町からは0.4km。
これは復路の写真なので反対方向です。停留場の先で大きくカーブしています。1916年(大正5年)に出師(すいし)橋停留場として開業しています。日露戦争の時に兵士が出征した場所に架かっていた橋の名前から付けられています。その後第2次世界大戦末期に急行運転で停留場は廃止されましたが1949年(昭和24年)に再開され、1961年(昭和36年)ルートが変更された時に移設。市民病院前停留場に改称されています。2018年8月にはメディカルセンター停留場に改称予定。
0.2kmで大浦海岸通停留場。1916年(大正5年)に大浦停留場として開業。1983年(昭和58年)に大浦海岸通に改称されています。開業以来築町〜石橋間(大浦支線)は単線でしたが1990年(平成2年)長崎旅博覧会の開催に合わせて築町〜大浦海岸通が複線化されました。
さて観光客満載の電車は終点の石橋停留場に向かいます。次回【私鉄に乗ろう 60】長崎電気軌道 その10 に続きます。
(写真・記事/住田至朗)