広島市安佐北区亀山。ここに、最も新しい無人駅と終端駅がある。

可部線 河戸帆待川駅と、あき亀山駅。その間に立って、電車が行き来するのをみる。

可部線は、1909(明治42)年に大日本軌道が敷いた線路をルーツにもつ、100年超えの路線。軌道から鉄道へ、電化、昇圧と進化を重ね、いまも沿線の足を支えている。

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そんな可部線を舞台に、広島市道路交通局都市交通部とJR西日本広島支社が「JR可部線の可部駅から長井・荒下地区を含む河戸エリアまでの電化延伸に取り組む」と発表したのが2013年。

その4年後に、可部駅と荒下県営住宅跡地(現 あき亀山駅)までの1.6kmが電化延伸し、電車が走りはじめた。

廃線から復活、電化延伸。最も新しい無人駅 河戸帆待川駅と、最も新しい終端駅 あき亀山駅の間には、非電化時代に河戸駅があった。

河戸駅の面影はほとんどない。線路の北側を並走する広島県道267号線沿いには、河戸バス停やスーパーマーケット、郵便局が集まる一帯がいまも残っている。

旧 河戸駅跡地と、あき亀山駅の間には、大毛寺川をまたぐ小さな桁橋がある。

この桁橋の脇で、あき亀山駅をみると、黄色いLEDをともした227系の姿。

笛が鳴る音が聞こえたと思ったら、するするとこちらに近づき、大毛寺川をこえてあっというまに河戸帆待川駅へ――。

Googleマップの航空写真は、延伸区間がまだ建設中の画像で、大毛寺川の前後やあき亀山駅に線路が敷かれていない時期の絵が映し出される。

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