単線ですが、橋梁は複線で用意されています。しかし、想像ですが、この様に短い橋梁部分だけを単線にする方が手間というか工数が増えそうな気もします。土木とか建築については全くの門外漢で勝手なことを言ってます。鉄道チャンネル宛のメールで専門家の方からのご教示、お待ちしまていす。

手前に信号機が立ちはだかっていて、これもまたなかなか不思議な眺めです。奥のトンネルも複線仕様。将来的に輸送人員が増えたら複線化もあり得るということでしょうか。

鴛鴨トンネル(70m)、その先で線路は左に”グネ”って上昇しています。写真では見難いかな。

この写真の方が”グネ”って上昇が分かりますね。次の橋梁も複線用。線路は先で同じ複線用地の左側に移ります。単式ホームが左側にあるからでしょうか。次駅は勾配の途中にある様に見えます。

東名高速道路の下をくぐります。永覚の駅予告票。遠くで上昇していると思った勾配は目の錯覚だった様です。実際は勾配を下ってきたのでした。写真でもそう見えたのです。不思議だなぁ。

末野原駅から1.6kmで永覚(えかく)駅。単線に単式ホーム。愛知環状鉄道線には珍しく線路が地上にあって地上駅です。

駅名標。1976年(昭和51年)旧国鉄岡多線の駅として開業。乗降人員は、571人/日(2017年 豊田市統計書)と多くはありません。航空写真では、駅の周りに農地が多くて、住宅が点在という感じです。

写真では階段は写っていませんが、ホームから階段で直接外に出られます。完全な無人駅なので改札/窓口はありません。

三河上郷の駅予告票、今度は伊勢湾岸自動車道が上を横切っています。線路の左(東)側に先程の東名高速道路と伊勢湾岸自動車道の巨大な豊田ジャンクションがあります。沿線は大きな工場と点在する住宅の間に広い農地というひと言では言い表せない風景です。

1.7kmで三河上郷駅。複線になって相対式ホーム2面2線です。

ここは、今までの駅と逆のパターンで、開業時からの上り岡崎方面ホームが10両分あります。下り高蔵寺方面ホームは、愛知環状鉄道線になってこの駅から北野桝塚駅までが複線化された際に作られたので4両分です。基本は2両編成での運行なので十分な長さがあります。

愛知環状鉄道の成り立ちは歴史的にもひじょうに複雑です。しかし、単・複入り組んだ線路を使って実際に列車を運用している方々の苦労が想像出来ます。もちろん簡単に運行されている鉄道なんて存在しませんが。

では、【私鉄に乗ろう89】愛知環状鉄道線 その11 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)