下方の瀬野駅は見えないほど、これから5分で160m降下します!ビルディングで言えば45階分を一気に駆け下りるのです。

出発すると、特徴的な青いトンガリ屋根が見えてJR瀬野駅がわかります。その横がみどり口駅。あそこまでたった5分です。ふつ〜ではあり得ないよなぁ。

急勾配を下りながら、途中でいったん傾斜が無くなってほぼ水平になります。

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水平に近い部分で唯一の途中駅、みどり中街駅に到着。

ここでゴンドラがすれ違います。上り車両にはソコソコ人が乗っています。相変わらず下りは筆者の単独行です。

大きくカーブして。この辺りは山間部の川に沿う谷間に住宅が少しずつまとまっているという雰囲気です。そーいう意味でこの「みどり坂」の新興住宅地は瀬野川の谷間から急坂をスカイレールサービスで克服した特異なエリアです。航空写真で眺めると分かります。

ここは真っ直ぐ、瀬野駅方面への急勾配に差し掛かる手前です。

ここからが最後の急な下り。左にJR瀬野駅のトンガリ屋根がハッキリ見えます。

ここからは、みどり口駅舎と、繋がる瀬野駅全体が見下ろせます。海の広がりを見ているのとは違いますが、どこか人間の生きている姿というか、人生の小ささを意識させられる景色です。毎日このある種雄大なパノラマを見て暮らしていると、悩むコトの些末さとか自分の存在の卑小さに対峙して自殺率が低減するよーな気がしますが、具体的なデータは調べていません。

駅前広場と瀬野駅舎がわかります。「飲食店がない」という事実に対峙してます。(笑)

到着しました!

あっと言う間に160mを急降下しました。大袈裟ですが高度が下がって耳が少しキーンとします。この後は予定がなかったので途中駅で降りればよかったかなぁ、と少し後悔しました。

実は、この日はかなり寒くて、広島に行って早く風呂で温まりたいな、という気分だったのです。熱燗とお好み焼きに気もそぞろ。

同様の住宅地専用交通システムは、既に山万ユーカリが丘線には乗っていますが、逆光だった関係で駅の写真が上手く撮れていないので改めて撮りに行く予定です。問題は、広島ほどではありませんが、自宅からソレなりに遠いことと、路線がサークル状なので6月の夏至頃の正午か、明るい曇天以外は撮影が難しいことです。

ちょっと残念なのが、2001年(平成13年)に運行開始したJR中央線猿橋駅南口と新興住宅地「パストラルびゅう桂台」を結んでいたシャトル桂台が、2006年(平成18年)に故障続発で廃止されてしまったことです。残念ながら、もう乗れないのです!

モチロン、レールの上を走るふつ〜の鉄道も好きですよ!

(写真・記事/住田至朗)